タイトル |
黄色蛍光灯によるハイマダラノメイガの加害抑制 |
担当機関 |
兵庫農技総セ |
研究期間 |
2001~2005 |
研究担当者 |
八瀬順也
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発行年度 |
2003 |
要約 |
色蛍光灯の夜間点灯により、ハイマダラノメイガ幼虫の発生が少なくなり被害が軽減される。基準灯数は、40w器具を2本一組にした設置方法で10aあたり3組(6灯)である。
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キーワード |
ハイマダラノメイガ、野菜害虫、キャベツ、黄色蛍光灯
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背景・ねらい |
黄色蛍光灯はヨトウムシ類に対する防除手段として広く認められているが、露地アブラナ科野菜では、ハイマダラノメイガに対する効率的な防除法として期待されている。そこで、黄色蛍光灯のハイマダラノメイガに対する防除効果を明らかにするとともに、露地野菜における黄色蛍光灯の一般的な利用方法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- ダイコン圃場で黄色蛍光灯を夜間点灯すると、点灯場所は無点灯場所に比べてハイマダラノメイガの発生程度が虫数で1/8と少なく、防除効果が認められる(図1)。
- 育苗中のキャベツに黄色蛍光灯を夜間点灯すると、ハイマダラノメイガによる被害株率は無点灯場所の1/6以下になり、被害軽減効果が認められる(図2)。
- キャベツを定植した圃場で、黄色蛍光灯を夜間点灯するとハイマダラノメイガの幼虫密度は無点灯圃場より常に少なく推移する(図3)。また、収穫時の被害株(非結球株)は無点灯圃場の1/4になり、被害軽減効果が認められる。黄色蛍光灯点灯圃場におけるハイマダラノメイガの被害は、照度が2lx以下のところに多い。
- 黄色蛍光灯を1灯だけで点灯させた状態では、照明器具のシャーシ側(便宜上、背面とする)が遮光されるため、背面の光到達性が悪い。そこで、器具2台を背面どうし合わせ一組にして、地面に垂直になるように立てて使用する(図4)。
- 40wの黄色蛍光灯を、上記の方法で蛍光灯の中央部が地上1.5mになるように設置した場合、地面付近の最大照度値が2 lx以上となる範囲は、光源を中心とした長径24m、短径18mの楕円形を示し(図5)、その面積はおよそ340m2である。したがって被害軽減効果を得るための最低照度を2
lxとすると、10aあたりの基準設置台数は3組(6灯)になる。
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成果の活用面・留意点 |
- 一般に露地圃場では電源が得られにくい。普及のためには安価で扱いの簡易な電源供給装置の確保が急務である。
- 同時期に発生するハスモンヨトウに対しても効果が高い。
- アオムシ、コナガ、カブラハバチに対する効果はないので、必要に応じて通常の防除が必要である。
- 黄色蛍光灯の夜間点灯が、キャベツの生育に及ぼす影響は認められない。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
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栽培技術
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防除
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