タイトル |
新しい養液栽培システムによるバラの養液管理法 |
担当機関 |
愛媛農試 |
研究期間 |
1999~2003 |
研究担当者 |
伊藤史朗
山本和博
大西 力
渡辺 久
藤堂 太
白石 豊
毛利幸喜
|
発行年度 |
2003 |
要約 |
本システムのバラ栽培は、専用養液組成を用い、培地内の養液濃度が3dS/mを超えた場合に除塩処理を行う。慣行のかけ流し栽培に比べ年間の切り花本数はほぼ同じとなり、品質の低下は小さい。また、給液量は60%、排出液量は25%、施肥量は50%程度に低減できる。
|
キーワード |
バラ、ロックウール栽培、環境負荷軽減、排出液量低減、施肥量低減
|
背景・ねらい |
かけ流し型ロックウール栽培でバラを栽培すると、培養液の20~30%が排出されるため、環境負荷を軽減できる閉鎖型栽培システムの開発が求められている。バラ切り花の収量及び品質を低下させることなく、排出液量を低減する栽培システム及び養液管理技術を確立する。
|
成果の内容・特徴 |
- 本システムは、トイに集められた排出液がトイからロックウールの下に敷かれた吸水シートを通してバラに吸収され、再利用される栽培システムである(図1)。バラが培養液を吸収し、トイ中の排出液が下限水位を下回ると水位センサーの信号により新しい培養液が点滴給液され、トイの水位が上限水位まで回復すると給液が停止する。
- バラの養分吸収特性から作成した四季別の培養液組成(表1)を使用し、培地内養液濃度が3dS/mを超えた場合は、養液のかけ流しにより2dS/m前後に低下するまで除塩処理を行う。
- 品種「リトルマーベル」の年間切り花本数は、かけ流し方式よりやや多く、切り花長はやや短い(表2)。
- 年間給液量は、かけ流し方式70.4m3/300株に対し、本システムで42.7m3であり、水の利用量が39%削減できる。また、排出量は31.1m3に対し、7.4m3であり76%削減できる(表2)。
- 年間肥料排出量は、N:P:Kそれぞれ、かけ流し方式5.0:0.7:4.6kg/300株に対し、本システムで1.2:0.1:1.2kg(25:14:26%)であり、75%以上削減できる(表3)。
- 年間施用量は、N:P:Kそれぞれ、かけ流し方式9.2:1.3:8.3kg/300株に対し、本システムで4.4:0.6:3.9kg(約50%)、吸肥量は3.1:0.5:2.7kgとかけ流し方式の約80%以上である。また利用率は、本システムで70~80%程度であるのに対して、かけ流し方式では45%程度である(表3)。
|
成果の活用面・留意点 |
- かけ流し方式から本システムに自作改修する費用は、栽培施設1000m2当たり約71万円である。
- バラの仕立て方は、アーチング法とする。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
肥料
管理技術
施肥
ばら
品種
養液栽培
|