タイトル |
ハウススダチ加温前のマシン油乳剤散布が発芽・着花に及ぼす影響 |
担当機関 |
徳島農林水産総技セ |
研究期間 |
1999~2003 |
研究担当者 |
安宅秀樹
津村哲宏
山尾正実
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発行年度 |
2003 |
要約 |
ハウススダチ加温前のマシン油乳剤(97%)散布は発芽を遅らせ、着花数を減少させる。これはマシン油乳剤散布後にBA剤処理しても同様に発芽を遅らせ、着花数を減少させる。
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キーワード |
ハウススダチ、マシン油乳剤、BA剤、着花
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背景・ねらい |
ハウススダチではハダニの発生が多く、薬剤耐性個体も発現しやすいため、有効な防除薬剤の選択が課題となっている。マシン油乳剤は薬剤耐性ハダニに有効な防除薬剤であるが、加温栽培では加温処理前に散布した場合に着花数を減少させるおそれがある。そこで早期加温栽培において、加温処理前のマシン油乳剤の散布が夏枝結果母枝の発芽・着花に及ぼす影響について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- スダチ(徳島1号、4年生)ポット樹を供試した。7月に剪定を行い、夏芽を発生させ、加温時の母枝とした。マシン油乳剤(97%)80倍液、400倍液および1,000倍液 を加温予定14日前(11月1日)、7日前(11月8日)に散布し、11月15日に加温を開始し、発芽・着花数を調査した。また、マシン油乳剤散布後にBA剤(500倍液)を加温当日(11月15日)に処理した区も設けた。
- マシン油乳剤無散布(無処理)では加温開始後31日に発芽(1/2以上の枝が発芽)するが、加温7日前のマシン油乳剤1,000倍液散布以外の処理区では発芽しない(表1)。
- マシン油乳剤散布後のBA剤処理では、マシン油乳剤無散布(無処理)に比較して加温7日前散布は5日遅く発芽する。一方、加温14日前散布では無処理とほぼ同じ日に発芽する(表2)。
- 発芽母枝率は無処理の55%に比較して他の処理区は低い(表3)。
- マシン油乳剤散布後のBA剤処理では、発芽母枝率はどの処理区も100%で、マシン油乳剤散布による発芽率への影響は認められない。しかし、総花数においては母枝当たり、節当たりいずれも加温14日前散布、加温7日前散布は無処理よりも少ない(表4)。
- 以上より、ハウススダチにおいて加温前のマシン油乳剤(97%)散布は発芽を遅らせ、着花数を減少させる。これはマシン油乳剤散布後にBA剤処理しても同様に発芽を遅らせ、着花数を減少させる。
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成果の活用面・留意点 |
- スダチにおいてBA剤は無登録である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
すだち
防除
薬剤
薬剤耐性
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