タイトル |
繁殖牛の電気牧柵馴致時における脱柵防止方法 |
担当機関 |
徳農総セ |
研究期間 |
2002~2004 |
研究担当者 |
福井弘之
西内宏一
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発行年度 |
2004 |
要約 |
土地の狭い中山間地で電気牧柵の馴致を行う場合、牛舎周辺の遊休地等を利用して、牛舎に自由に帰ることが出来る状態に牧柵を設置することにより、牛の脱柵が防止できる。
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キーワード |
中山間地、繁殖牛、放牧馴致、電気牧柵、脱柵
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背景・ねらい |
本県で黒毛和種繁殖牛の遊休地放牧を行う場合、傾斜が急で狭い畑が多い中山間地が対象となる。現在、繁殖和牛農家のほとんどが舎飼いである。今後、放牧を推進するにあたり、電気牧柵を利用した放牧はコスト、管理面から考えると有用で、農家が自ら馴致することが可能な技術が必要とされる。そこで、電気牧柵馴致時の脱柵を防止する方法について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 5aの遊休農地を電気牧柵(ポリワイヤー)で囲い、牛の鼻先を電気牧柵に接触させた後、1~2頭を放牧(方式I)をした結果、再度電気牧柵に触れた後、興奮状態となり、放牧地を脱柵することがある(図1、表1)。
- 5aの遊休農地を電気牧柵で囲い、自由に牛舎に帰ることが出来るようにして1頭放牧(方式II)したところ、電気牧柵に触れた後、一目散に牛舎に帰り(写真1)、1時間ほど出てこなかった。このような行動を2~3回繰り返した後、電気牧柵に触れても興奮状態にならなかった。この方式での馴致時の脱柵はない(図2、表1)。
- 方式IIで2頭同時に馴致したところ、1頭が電気牧柵に触れ興奮状態になると、他の一頭も共に興奮状態になった後、2頭とも牛舎に帰った。この行動を数回繰り返した後は、電気牧柵に触れても興奮状態にならない(表1)。
- 電気牧柵の馴致効果は方式I、方式IIの差はなく、電気牧柵の学習ができれば放牧時の脱柵はない(表2)。
- 以上の結果から、土地の狭い中山間地で電気牧柵の馴致を行う場合、牛舎周辺の遊休地等を利用して、牛舎に自由に帰れることが出来る状態に牧柵を設置することにより、脱柵が防止できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 電気牧柵を使用した馴致を行う前に、2~3週間は昼間野外に繋留し、外気と日光に慣らしておく。
- 電気牧柵は上下2段張りとし、下段は地面から40cmの高さに張る。
- 馴致放牧前に放牧地に連れて行き、牛舎への帰り道を教えておく。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
コスト
中山間地域
繁殖性改善
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