近赤外分光法による牛生体の脂肪交雑の推定

タイトル 近赤外分光法による牛生体の脂肪交雑の推定
担当機関 徳島畜研肉畜分場
研究期間 2001~2003
研究担当者 岡田栄一(愛媛畜試)
新居康生(徳島畜研)
谷原礼諭(香川畜試)
日浦千尋
発行年度 2004
要約 近赤外分光法によって褐毛和種の生体皮膚表面から脂肪交雑の推定が可能である。
背景・ねらい 肉牛生産において,非破壊的な品質評価システムの確立は経済的な効果は大きいものと考えられるが,現在の超音波等生体評価方法は大変高価で高度な経験を必要とすることから、肥育農家に普及可能なものではない。そこで、新たな生体評価技術の開発のため,近赤外分光法による肥育牛の脂肪交雑推定の可能性について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 褐毛和種を対象に、近赤外分光法方式光ファイバー測定装置による測定手法として出荷前の牛生体皮膚表面第6~7肋間部、第12~13肋間部、尾根部、尻部および股部測定部位の近赤外拡散反射スペクトルを測定し、肥育牛の脂肪交雑を推定するシステムを開発する(図1、2)。
  2. 各部位の350~1050波長(nm)の選抜二次微分スペクトルを独立変数として変数増減法による重回帰分析を行った結果、特定の部位において脂肪交雑との関連性の高い項目である皮下脂肪測定値、脂肪酸組成OS値、画像解析による脂肪率や血中ビタミンAの推定で0.7以上の寄与率と数種類の特定共通波長が確認されたことから、近赤外分光法によって牛生体の脂肪交雑推定の可能性が認められる(表1)。
  3. 実用化に向けて近赤外分光分析方式体脂肪測定機器(約35万円)による生体表面尾根部での2波長近赤外線光量対数値式と肥育牛の肉質特に脂肪交雑との間に高い相関を確認したことから、近赤外分光方式体脂肪測定機器による生体の脂肪交雑(サシ)の推定が可能となる(図2、3)。

成果の活用面・留意点
  1. 褐毛和種を対象として適用できるが、他の品種(黒毛和種及びF1)についても現在実証中である。
  2. 皮膚表面の状態が近赤外線の反射光量の減衰に大きな影響があることから、股部以外は直径5cm以上円形に毛剃りを行い、皮膚表面の乾燥状態で測定を実施する。

図表1 219945-1.jpg
図表2 219945-2.jpg
図表3 219945-3.jpg
図表4 219945-4.jpg
カテゴリ 乾燥 出荷調整 肉牛 評価法 品種

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