タイトル | センチピードグラスの出芽と生育は落葉・落枝の焼却場所で良好になる |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター |
研究期間 | 2003~2004 |
研究担当者 |
井出保行 高橋佳孝 小林英和 福田栄紀 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 二次林伐採跡地に堆積した落葉・落枝の処理法として、放置、除去、焼却のいずれかを加えると、播種したセンチピードグラスの出芽および生育は、焼却処理で最も良好になる。 |
キーワード | センチピードグラス、不耕起造成、地表処理、二次林、放牧、ウシ |
背景・ねらい | 中国中山間地域では、耕作放棄地における肉用牛放牧が盛んになったが、十分な放牧面積を確保するためには、周辺二次林の活用も視野に入れる必要がある。しかし、当該地域に分布する二次林の多くは、飼料資源が量的・質的に不十分であり、そのままでは放牧には適さない。そのため、林地の一部を伐採し、草地を造成して、可食草量を増加させる必要がある。そこで、放牧攪乱に耐性があり、種子からの造成が比較的容易なセンチピードグラスを播種し、伐採跡地の効率的な不耕起造成法を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 二次林の一部を4月に伐採し、6月には地表に堆積した落葉・落枝の処理を行う。処理の方法は、落葉・落枝の放置区、除去区、焼却区の3種類である。センチピードグラスの播種は、地表処理後の7月上旬に行い、播種量は100㎡当たりに400gとする。 2. センチピードグラスの出芽数は、「放置区」<「除去区」<「焼却区」の順に増加する(表1)。晴天時の地表温や土壌の含水率を「焼却区」と「除去区」とで比較すると、いずれの値も「焼却区」で高く、こうした処理間にみられる環境の違いが出芽の多少に反映されたものと考えられる(表2、3)。 3. 播種から2か月後の平均草丈(n=125)は、「焼却区」が7.0 cmで、「除去区」が4.3 cmであり、「焼却区」で明らかに大きくなる(p<0.001)。これは、落葉・落枝の焼却に伴う、土壌phの改善と養分の還元効果によるものと考えられる(表3)。 4. 造成から1年後の被覆面積は、地表処理の違いに基づく出芽や生育の差を反映し、「放置区」<「除去区」<「焼却区」の順に増加する(表1)。とくに「焼却区」では、センチピードグラスの被覆面積割合が90%以上に達し、それに次ぐ「除去区」のほぼ倍になる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本成果より、二次林伐採跡地では、落葉・落枝の焼却場所をできるだけ多くの箇所に小規模分散させることで、効率的な草地造成が可能になるものと考えられる。 2. 落葉・落枝の焼却については、その可否を関係機関に確認する必要がある。 3. 本成果は、鉱質の赤黄色土壌地帯で得られたものである。土壌のタイプが異なる場合は、別途検討する必要がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | くこ 中山間地域 肉牛 播種 |