入力項目を柔軟かつ簡便に設定できるモバイル農業記録ソフトウェア

タイトル 入力項目を柔軟かつ簡便に設定できるモバイル農業記録ソフトウェア
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 2005~2006
研究担当者 伊吹俊彦
笠原賢明
吉田智一
寺元郁博
東出忠桐
発行年度 2005
要約 本ソフトウェアをパソコンとPDAで利用することにより、作業記録をはじめとした各種農業記録体系を柔軟かつ簡便に構築できるうえ、個人的な記録作成から生産組織で統一した記録集約まで対応できる。また、記録作成と並行して、利用者に対するシンプルな情報提供に活用できる。
キーワード 農業記録、モバイル、入力設定、情報共有、情報提供
背景・ねらい 作業記録をはじめとした各種農業記録を正確に作成し、生産組織等で迅速に集約、情報共有するためには、携帯情報端末による記録ソフトウェアを利用することが有効である。しかし、従来の記録ソフトウェアには、産地の取り組み方針等によって記録体系が異なると、入力項目の設定、変更が容易でないため、簡単に導入できない問題がある。そこで、PDA(Personal Digital Assistance)を用いた記録作成が可能で、かつ利用者が入力構成(入力する項目や順序、農薬一覧のような選択肢の候補等)等の各種設定を柔軟に行える、モバイル農業記録ソフトウェアを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本ソフトウェアは、パソコン(Windows 98SE以降)上で動作する管理ツールとPDA(PocketPC 2002以降)上で動作する入力ツールからなる(図1左)。管理ツールは、入力構成、データ構造及びCSV形式によるファイル出力方法を設定することができ、入力構成をPDAへ送信し、PDAで作成された記録を取り込む機能を持つ。PDAは携帯できるので、現場で記録作成を行うことができる(図1右)。
  2. 入力構成は、入力する項目とその順序を規定したものであり、利用者が記録の目的に応じて自由に作成することができる。具体的には、各入力項目について、入力データタイプ(日付、時刻、数値、文字、音声メモ、選択肢)と、その項目を入力した後どの入力項目に移動するかを規定する。また、特殊な入力データタイプである「選択肢」を使うと、選択した選択肢に応じて入力項目の分岐が可能なので、必要な項目を過不足なく記録するように入力構成を作成することができる(図2)。入力ツールは、作成された入力構成に従って、1画面1項目の入力を行い、1項目の入力が完了すると次の項目を入力する画面に切り替わる(図2左下)。
  3. 管理ツールの入力構成設定では、入力する項目を枠囲みで表示し、入力順序を矢印で表示するので、どのような順序で入力を行うかを視覚的に把握でき、簡便な入力構成設定ができる(図2左上)。データ構造、ファイル出力方法の設定でも同様に、視覚的な把握が可能である。
  4. 本ソフトウェアを産地ごとの生産組織等で利用する場合には、パソコン1台とPDAを1人1台用意する。パソコンから各PDAに同一の入力構成を送信し、PDAで作成した記録を随時パソコンに取り込むことで、統一された形式の記録が集約される。
  5. 入力構成設定を活用することで、シンプルな情報提供に活用できる。たとえば、防除指針に沿った農薬一覧を作成することで、記録作成時に指針に沿っているか確認できる(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 個人の記録作成から、集団による記録作成まで幅広い範囲で利用できる。
  2. 複雑な記録体系を構築する場合には、入力構成設定が煩雑になるので、事前に入力構成を十分に整理する必要がある。
  3. http://www.aginfo.jp/MFD/ で情報提供と評価版の配布(要登録、無償)を行っている。
図表1 220022-1.jpg
図表2 220022-2.jpg
図表3 220022-3.jpg
カテゴリ 病害虫 農薬 防除

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる