黒大豆新品種「山口1号」

タイトル 黒大豆新品種「山口1号」
担当機関 山口農試
研究期間 1989~2005
研究担当者 羽嶋正恭
金子和彦
中司祐典
池尻明彦
前岡庸介
森岡徹文
発行年度 2005
要約 早熟で耐倒伏性などの栽培特性に優れた大粒の黒大豆「山口1号」を育成した。焙煎茶や納豆などへの商品開発が進められ、特に焙煎茶は加工業者から「風味がよく、味がまろやか」と評価は高い。
キーワード ダイズ、黒大豆、早熟、耐倒伏性、焙煎茶
背景・ねらい 黒大豆は近年、ポリフェノールなどの機能性が評価され、多様な加工品が開発されている。山口県においても有色大豆などを活用した加工品づくりが進められ、「地産地消」に結びつく特色のある品種の導入が求められている。そこで、安定栽培が可能で加工適性の優れた黒大豆品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 1988年に長門市仙崎の「タマホマレ」栽培ほ場で、「タマホマレ」より莢色と毛茸色が濃く、種皮の黒い種子が98%含まれる異型株が発見された。これをもとに、形質の優れる個体の選抜・固定化を図り、系統分離により育成したのが黒大豆「山口1号」である。
  2. 開花期は「サチユタカ」より6日程度早く、成熟期は8日程度早い(表1)。
  3. 主茎長は「サチユタカ」並みで、耐倒伏性は同程度に優れる(表1)。
  4. 最下着莢節位高は「サチユタカ」よりやや低い(表1)。
  5. 収量性は「サチユタカ」よりやや劣るが、稔実莢率は高く、「玉大黒」より明らかに多収である(表1、表2)。
  6. 百粒重は「サチユタカ」並みの大粒で、粒形は楕円体である(表1)。
  7. 粗蛋白質含有率は「サチユタカ」よりやや低く、粗脂肪含有率は高い(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 2006年1月に品種登録出願を行い、加工業者と連携して需要に対じた生産に取り組む。
  2. 焙煎茶は加工業者から「風味がよく、味がまろやか」と評価が高い。また、裂皮が少ないことから多様な加工品への活用が期待できる。
  3. 栽培適地は県下全域である。
  4. 最下着莢節位高がやや低いので、播種量を5㎏/10a以上の密植とする。
  5. 開花期が早いのでカメムシの吸汁害を防止するため防除を徹底する。
図表1 220067-1.jpg
図表2 220067-2.jpg
カテゴリ 病害虫 加工 加工適性 カメムシ 機能性 新品種 大豆 播種 品種 防除

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