ミズナ周年施設栽培ほ場における栄養障害回避技術

タイトル ミズナ周年施設栽培ほ場における栄養障害回避技術
担当機関 京都農総研
研究期間 2000~2004
研究担当者 中島博道
発行年度 2005
要約 ミズナ周年施設栽培における栄養障害発生ほ場では、窒素施肥量を5kg/10a・作に減肥する。また、栄養障害を回避するため、窒素施肥量を慣行の47~67%(7~10kg/10a・作)に削減するか、夏季に緑肥を導入し、後作1作のみ5kg/10aに削減する。
背景・ねらい ミズナ、ミブナ等軟弱野菜周年施設栽培ほ場では、肥料や有機物の過剰投与により、硝酸態窒素等の養分集積が原因と見られる生育遅延、発芽不良等の栄養障害が夏季を中心として発生し、生産不安定要因になっているとともに、環境への負荷も懸念されている。
そこで、ミズナを中心とする施設軟弱野菜の養分集積ほ場における栄養障害回避のための減肥による対策及び予防技術について検討するとともに、栄養障害の発生しやすい夏季高温期に緑肥を栽培しすき込むことで、土づくりと省力化を兼ねた緑肥導入による栄養障害回避技術について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 硝酸態窒素が集積し、生育遅延、発芽不良等の栄養障害が発生したミズナの周年施設栽培ほ場においては、5kg/10a・作で栽培することにより、栄養障害と硝酸態窒素の土壌集積を減少させる(表1)。
  2. ミズナの周年施設栽培ほ場においては、窒素施肥量を7~10kg/10a・作にすることにより、養分集積を回避できる(表2)。
  3. 夏季に緑肥を導入しすき込むと、後作1作のミズナの施肥窒素は5kg/10aで収量を確保できる。また、緑肥すき込みにより土壌の物理性もやや改善される(表3、4)。
成果の活用面・留意点
  1. 下層に養分が集積していないほ場では、緑肥すき込み後の硝酸態窒素濃度はほとんど増加しないので、ミズナの施肥量は、基肥として5kg/10a施用後追肥2~5kg/10aするか、または基肥として7~10kg/10a施用する。
  2. 緑肥に含まれる加里は他の養分より溶出が早いので、加里過剰のほ場では緑肥すき込み後の加里の施肥量に留意する。
  3. 夏季高温期は硝酸態窒素が集積しやすく、作土層の濃度が20mg/100g程度になると、表層(0~2cm)は作土層の3倍程度の濃度になり、ミズナの発芽不良や生育遅延を生じるので、夏季に至るまでに濃度を下げる必要がある。
  4. 全炭素が高いほ場では、全窒素、可給態窒素、有効態リン酸、石灰、苦土、加里が高い傾向を示し、ECが高いほ場では、NO -N、SO 、Clが高い傾向を示すので、有機物の長期連用、多施用及び肥料の副成分に留意する。
図表1 220104-1.jpg
図表2 220104-2.jpg
図表3 220104-3.jpg
図表4 220104-4.jpg
カテゴリ 土づくり 肥料 施設栽培 省力化 施肥 発芽不良 みずな 予防技術

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