大型放射光(SPring-8)を利用した黒大豆の非破壊産地判別技術

タイトル 大型放射光(SPring-8)を利用した黒大豆の非破壊産地判別技術
担当機関 兵庫農総セ
研究期間 2004~2008
研究担当者 永井耕介
河野 哲
青山喜典
牧浩之
発行年度 2005
要約 大型放射光を用いた黒大豆種皮の蛍光X線分析により、非破壊で、施肥の影響を受けにくい微量元素の測定ができる。中国2産地の黒大豆種皮のSr含量は兵庫2産地のものに比べて明らかに高い。
キーワード 蛍光X線、大型放射光、黒大豆、産地判別
背景・ねらい 食の安全・安心志向の中で、農産物の産地を科学的に判別する技術が強く求められている。しかも、短時間に判別できることが望ましい。そこで、大型放射光(SPring-8)を利用して微量元素による黒大豆の非破壊産地判別技術の可能性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 黒大豆の種皮に20kevの放射光を照射することにより、蛍光X線測定で施肥との関わりの小さなRb、Sr含量が非破壊で測定できる(図)。
  2. 放射光の照射面積は200μm角と小さいことから、黒大豆子実としての代表値を求めるための有効な測定カ所数を検討する必要がある。同一子実内の部位による測定値の 変動係数、同一産地内の子実間の測定値の変動係数などから判断して、Rb、Sr含量を 求める実用的な測定カ所数は黒大豆種皮の対角2カ所ずつの4カ所である(表1、2)。
  3. 4産地の黒大豆において種皮の対角4カ所測定を実施した結果、中国2産地の黒大豆のSr含量は兵庫2産地のものに比べて明らかに測定値が高い。一方、Rbは傾向が判然 としない(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本実験はSPring-8(Super Photon ring 8 GeVの略)のBL24(兵庫県ビ-ムライン)のCハッチ内で実施した。
  2. 兵庫産は篠山市産、朝来市産黒大豆を、中国産は江蘇省産、安徽省産黒大豆を供試した。
  3. X線の高調波は全反射ミラ-で除去し、蛍光X線の検出器は半導体検出器を使用した。1測定地点の放射光照射時間は200秒とした。
  4. 黒大豆のSr含量は栽培した土壌との関連が高いので、本実験で検討した大型放射光による非破壊迅速産地判別技術は他の農産物にも応用できる。
図表1 220113-1.jpg
図表2 220113-2.jpg
図表3 220113-3.jpg
図表4 220113-4.jpg
カテゴリ 施肥 大豆

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