コンジョイント分析による国産大豆を原料とする豆腐の消費者評価

タイトル コンジョイント分析による国産大豆を原料とする豆腐の消費者評価
担当機関 愛媛農試
研究期間 2004~2006
研究担当者 石々川英樹
山本和博
発行年度 2005
要約 豆腐の原料、味の評価、価格を属性とするコンジョイント分析から、豆腐の選好に影響する重要度は原料と価格が40%程度、味の評価が20%程度と推定される。回答者の年齢が上がるにつれて、国産大豆を選好する傾向が強く、価格の重要度が小さくなる。
キーワード 豆腐、国産大豆、消費者評価
背景・ねらい 愛媛県内には地元の農産物を原料とする加工品の製造販売によって、経営の多角化をはかる経営体や集落営農組織の活動事例があり、大豆生産および豆腐を中心とする加工品の製造販売についても、複数地域での取り組みが知られている。今後、大豆加工品の販路拡大や新製品の開発にあたり、地元産大豆を原料とする豆腐の消費者評価を明らかにすることが重要である。そこで、コンジョイント分析により、原料や味に特徴のある豆腐の消費者評価を検討する。なお、調査対象は愛媛県内に在住し、年齢や居住地、職業などを考慮して選ばれた150名の県政モニターとする。
成果の内容・特徴
  1. 「原料大豆(国産大豆、大豆<産地表示なし>)」、「味の評価(普通、とても美味しいと評判)」、「価格(80円、130円、180円)」を豆腐の「属性(水準)」とするコンジョイント分析から、豆腐の選好における各属性の重要度を推定したところ、「原料大豆」と「価格」が40%、「味の評価」が20%程度である(表2、図1)。
  2. 回答者の年齢層別に推定した各属性の重要度は、回答者の年齢が高くなるほど「原料大豆」の重要度が高くなるのに対し、「価格」の重要度は低くなる(図1)。
  3. 「味」の重要度は、年齢による明確な傾向は見られず、全ての世代で最も重要度の低い属性である(図1)。
  4. 回答者を豆腐購入時に価格を重視する程度別に分類して行ったコンジョイント分析の結果から、原料が「大豆<産地表示無し>」から「国産大豆」になること、および味が「普通」から「美味しい」になることで増加する、全体効用値の価格換算は、価格を重視する層でそれぞれ32円(400gあたり)、合計で64円に相当する。
    このことは、原料大豆の産地表示が無く、普通の味の豆腐が80円で販売されている場合、原料が国産大豆になることで価格が32円高い112円で両者の評価が等しくなり、さらに味が良くなることで32円の付加価値が生じる(評価額144円)ことを示す(表3)。
  5. 国産大豆を原料とする豆腐の販売展開としては、原料を重視する比較的利用者年齢の高い販売先の開拓や、当該世代を意識した分かりやすい原材料表示とそのPRなどが有効と考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 地元産大豆を原料とする、加工品販売戦略の検討に活用できる。
  2. 推定結果は県政モニターを対象とした分析であるため、サンプル設定によるバイアスが生じている可能性がある。
図表1 220123-1.jpg
図表2 220123-2.jpg
図表3 220123-3.jpg
図表4 220123-4.jpg
カテゴリ 加工 経営管理 大豆

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