タイトル |
近畿中国四国地域水稲出穂期・成熟期予測システム |
担当機関 |
兵庫農技総セ |
研究期間 |
2002~2005 |
研究担当者 |
須藤健一
牛尾昭浩
吉田智一(近中四農研)
高橋英博(近中四農研)
寺元郁博(近中四農研)
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発行年度 |
2005 |
要約 |
近畿中国四国地域の任意の地点での水稲6品種の出穂期・成熟期を予測するシステムをWeb上に作成した。府県、栽培品種、田植え月日を選択し、移植した苗の葉齢を入力する。その後、地図上で栽培地点を選択すると、当該年の気象値に基づく予測値が直ちに表示される。
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キーワード |
イネ、近畿中国四国地域、出穂期、成熟期、リアルタイム予測、Webアプリケーション
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背景・ねらい |
水稲の出穂期・成熟期の予測値がリアルタイムにかつ簡便に把握できることは、肥培管理の上からも、適期収穫の上からも重要である。そこで、近畿中国四国地域内のほぼ全域で作付けされている「コシヒカリ」、「ヒノヒカリ」などの水稲を中心に、域内の任意の地点でこれら品種の出穂期・成熟期を予測するシステムをWeb上に作成する。
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成果の内容・特徴 |
- 水稲の出穂期・成熟期を予測するシステムである「水稲生育予測システム2004【兵庫県限定版】」を基本に、近畿中国四国地域で利用可能なシステムとしてWeb上に作成している。
- 利用者はアクセス後、府県名、栽培品種、移植した月日を選択し、移植時の苗齢を入力する。その後、地図上で栽培圃場地点を選定し、「実行」ボタンをクリックすると出穂期と成熟期の予測値が表示される(図1)。
- 発育予測モデルはDVR(Developmental rate:発育速度)を用いている。DVRで発育ステージを予測するときは、移植から診断日までの毎日の日平均気温と天文日長(日の出から日没までの時間)を利用する。日平均気温はアメダス地点の観測値から距離比例配分方式で推定している。
- 予測のために利用するアメダス気温値は毎朝5時に更新され、アクセスの前日まではアメダス観測値からの推定値、以降は平年気温を用いている。天文日長は緯度から算出している。
- 現在予測できる品種は、コシヒカリ、キヌヒカリ、どんとこい、日本晴、山田錦、ヒノヒカリであり、移植時の苗の葉齢は2葉から5葉(不完全葉を含む)、移植時期は4月21日から6月20日で、早期栽培では誤差が大きい(図2、3)。
- 携帯電話からも利用可能である(図4)。また、GPS内蔵の携帯電話では、水稲栽培圃場の傍で携帯電話が発生する緯度・経度を送信することで、地点入力することなく利用できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 出穂期、成熟期が予測できることから、穂肥の施用時期や病害虫防除時期、収穫時期の決定などに利用できる。
- 得られる結果はあくまでも予測値(出穂期の標準誤差3.3日、成熟期の標準誤差4.9日)であり、利用に当たっては注意すること。
- 現在、インターネットでは http://www.tekisaku.jp/ricediag/index.html で、携帯電話では http://www.tekisaku.jp/rice-i/index.html で公開している。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
GPS
水稲
生育予測
肥培管理
病害虫防除
品種
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