乳牛における子実排せつ率を低下させる稲発酵粗飼料の抗張強度

タイトル 乳牛における子実排せつ率を低下させる稲発酵粗飼料の抗張強度
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 2003~2005
研究担当者 新出昭吾
伊藤健一
大坂隆志(広島畜技セ)
松下 景(近中四農研)
発行年度 2005
要約 稲発酵粗飼料の切断長を3cm程度とした混合飼料を摂取する泌乳牛では、稲発酵粗飼料の子実の抗張強度が大きい場合、ふん中への子実排せつ率が低下する。
キーワード 稲発酵粗飼料、混合飼料、泌乳牛、脱粒性、抗張強度、子実排せつ
背景・ねらい 出穂後30日で収穫調製した稲発酵粗飼料(飼料イネホールクロップサイレージ:WCS)を乳牛に給与したとき、乾乳牛で10%前後、泌乳牛で40~50%のふん中への子実排せつがあり、栄養的損失になることから、乳量や乳成分への影響が懸念される。
現在栽培されている飼料イネのうち、クサノホシの脱粒性程度は「難」であるが、乾物摂取量が多く、採食速度が速い泌乳牛で子実排せつが多い。これは、混合飼料(TMR)調製における切断の工程で、飼料イネ子実が枝梗から外れ、採食時のそしゃくによる破砕を受けにくい形態になるためと推測され、脱粒性程度が子実排せつ率に関係すると考えられる。
そこで、飼料イネ子実の脱粒性程度、いわゆる、枝梗からの離脱の程度を示す抗張強度が泌乳牛におけるふん中への子実排せつ率に及ぼす影響を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 穀粒脱粒性試験装置で調査した飼料イネ3品種・系統(SR1、SR5(北陸145号)、クサノホシ)の抗張強度は、SR1が出穂後30日の収穫時及びサイレージ貯蔵後312日の開封時で最も大きい(P0.05)(表1)。
  2. 飼料イネ収穫時の抗張強度は、サイレージ貯蔵後に比べ大きく、貯蔵により子実と枝梗の結合は脆弱化する(表1)。
  3. それぞれ無切断で貯蔵した飼料イネWCSは切断長3.3cmで細断し、乾物で27.4%を混合したTMR(乾物含量60%、粗タンパク質(CP)含量16.5%、可消化養分総量(TDN)含量75%)を泌乳牛に給与したところ、水洗法で調査した子実排せつ率は、SR1が43%であり、SR5の48%、クサノホシの51%に比べ有意に低い(P0.05)(表2)。
  4. そしゃく行動において、抗張強度は乾物摂取量単位重量当りの採食時間、反すう時間に影響しないが、子実排せつ率は抗張強度の大きいもので低い(表2)。
  5. 抗張強度の育種的強化は、ほ場における刈取ロスを軽減するとともに、給与における栄養的損失を抑制し、生産性の向上に寄与する可能性が示唆される。
成果の活用面・留意点
  1. TMRに混合する稲発酵粗飼料の切断長は、乾物摂取量が抑制されず、子実排せつ率が改善される3cm程度が望ましい。
  2. SR1及びSR5(北陸143号)については、IRRI-Japan Collaborative Research Projectから種子の分譲を受けた。
図表1 220204-1.jpg
図表2 220204-2.jpg
カテゴリ 育種 乳牛 品種

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