タイトル |
蒸気土壌消毒によるピーマンモザイク病の防除 |
担当機関 |
高知農技セ |
研究期間 |
2000~2004 |
研究担当者 |
竹内繁治
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発行年度 |
2006 |
要約 |
キャンバスホース法による蒸気土壌消毒は、トウガラシマイルドモトルウイルスによる ピーマンモザイク病の土壌伝染防除に有効である。
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キーワード |
蒸気土壌消毒、キャンバスホース法、PMMoV
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背景・ねらい |
トウガラシマイルドモトルウイルス(PMMoV)によるピーマンモザイク病は、果実の奇形や退緑による 品質低下と収量減を引き起こし、ピーマンの高品質安定生産を阻害する重要病害のひとつである。 PMMoVは接触伝染、種子伝染、土壌伝染することが知られており、防除対策として感染株の早期除去や 乾熱による種子消毒のほか、臭化メチルによる土壌くん蒸が行われてきた。このうち、臭化メチルについては、 オゾン層破壊物質として2005年に全廃された。そこで、臭化メチル代替技術としての蒸気土壌消毒のPMMoVに 対する防除効果を検討し、適用を図る。
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成果の内容・特徴 |
- ピーマンの根に含まれるPMMoVの不活化には90℃で10分以上、80℃では6時間以上の熱処理が必要で ある(表1)。
- キャンバスホース法による蒸気土壌消毒では、深さ20cm以下の地温をPMMoV不活化に有効な 温度まで上昇させることは困難であるが、表層土壌は90℃以上に上昇し、この付近に分布するPMMoVを 不活化できる(表2)。
- PMMoV汚染圃場で、ピーマンの定植前にキャンバスホース法による蒸気土壌消毒を実施すると、 定植160日後でもモザイク病は発生せず、高い防除効果が認められる(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 蒸気土壌消毒を実施した後に耕耘すると、十分に消毒されていない深層土壌が表層に上がり、 土壌伝染が起る可能性があるので、消毒後はできるだけ土壌を動かさない。
- 効率よく地温を上昇させるために、土壌水分を調整して過乾燥や過湿条件とならないようにし、 稲ワラなどの有機質資材を施用する(平成17年度成果情報参照)。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
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