バラロックウール栽培の排液中硝酸性窒素の低コスト処理技術

タイトル バラロックウール栽培の排液中硝酸性窒素の低コスト処理技術
担当機関 愛媛農試
研究期間 2004~2006
研究担当者 横田仁子
大森誉紀
発行年度 2006
要約 バラロックウール栽培の排液中硝酸性窒素を低コストで処理できる装置を開発した。水田土壌と メタノールを利用することにより、排液中の硝酸性窒素をほぼ0ppmにできる。液温は15℃以上に加温する。 年間のランニングコストは約89,000円/10aである。
キーワード バラ、ロックウール栽培、排液処理、硝酸性窒素、低コスト
背景・ねらい バラのかけ流し式ロックウール栽培の排液量は約2000L/10a/日で、排液中の硝酸性窒素濃度は 約120ppm、年間で排出される硝酸性窒素量は約84kg/10aと見積もられる。一方、イチゴでは排液量は 約200L/10a/日で、排液中の硝酸性窒素濃度は約50ppm、硝酸性窒素量は約2.5kg/10a(栽培期間9ヶ月) であり、バラロックウール栽培は環境への負荷が大きいと考えられる。そこで、排液中の硝酸性窒素を 低減する技術を確立し、大量の排液処理が求められる現地バラ栽培で実際に適用できる低コストな 排液処理装置を開発する。
成果の内容・特徴
  1. この装置は、排液処理タンク、排液貯水タンク、メタノール貯留タンクからなる。排液や メタノールの流入・排出にはタイマーとポンプを用いる。処理タンク内に水田土壌を投入し、 メタノールは排液流入時に毎日添加し、24時間放置後、沈降した汚泥は処理タンク内に残し、上澄みを 排出する。これを繰り返す。10aあたり2000L/ 日の排液を処理するには、処理タンク容量が約3000L 必要である(図1)
  2. 処理前排液中の硝酸性窒素は100~200ppmで推移し、4~10月は処理後排液中の硝酸性窒素等濃度は ほぼ0ppmまで低下する。11~3月は無加温では処理後排液中の硝酸性窒素等濃度は40~50ppmに上がる。 ヒーターで15℃以上に加温することで、冬期もほぼ0ppmに低下する(図2)。
  3. 水中ポンプやヒーター等の設置費(タンク代を除く)は約66,000円、メタノールや電気代の ランニングコストは約89,000円/年かかる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. この装置はバラのかけ流し式ロックウール栽培の排液処理に適用できる。汚泥を残すことで 処理効率を高めることができる。他作物に適用する場合は、処理排液量に応じたタンク容量にする。
  2. ハウス内に排液貯留タンクを備えている所では、そのタンクを処理タンクに利用すれば設備費も 軽減でき、冬期のヒーターによる加温期間が短いため電気代も節約できる。
  3. メタノールは劇物のため、管理・取り扱いには充分注意する。
  4. リン酸の除去については別途検討が必要である。
図表1 220358-1.jpg
図表2 220358-2.jpg
図表3 220358-3.jpg
カテゴリ いちご コスト 水田 低コスト ばら

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