獣道となっている耕作放棄地での和牛放牧によるイノシシ被害軽減効果

タイトル 獣道となっている耕作放棄地での和牛放牧によるイノシシ被害軽減効果
担当機関 山口農林総セ
研究期間 2003~2007
研究担当者 伊藤直弥
恵本茂樹
島田芳子
発行年度 2007
要約 イノシシの経路となっている耕作放棄地において和牛を放牧することにより、イノシシの通過が困難となり水稲への被害が軽減される。
キーワード 放牧、和牛、イノシシ、耕作放棄地、被害軽減
背景・ねらい 水田の耕作放棄地は、イノシシの一時的な棲みか、餌場、さらには移動の経路に利用されることが多く、耕作放棄地の増加は周辺農地へのイノシシ被害の拡大につながっている。
一方、和牛の放牧によりイノシシ被害が軽減した事例が散見されることから、放牧によるイノシシ被害の軽減効果への期待が高まった。
そこで、イノシシ被害のため耕作放棄地が増加している県内の中山間地域の1地区を調査対象として、和牛を耕作放棄地に放牧し、イノシシ被害の軽減効果について検証する。
成果の内容・特徴
  1. 耕作放棄地を通過して水田に被害をもたらしていたイノシシの経路は,放牧することにより移動する(図1)。
  2. 放牧前は、食害や倒伏などのイノシシ被害が6月から水稲の収穫時期まで見られるが、放牧によりイノシシの経路を分断することで、水稲への被害が軽減される(図2)。
  3. 放牧中でも、8月~10月の間、放牧地周辺でイノシシは活動している(図3)。
  4. イノシシの出現場所は、川沿いよりも山林周辺が多く、周辺環境のエサ資源の状況により出没が変化する(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 放牧実施中にイノシシが水稲のヒコバエや栗を採食していたことから、放牧地周辺のイノシシのエサとなる誘因物の除去等の組み合わせによりイノシシ被害の軽減効果の向上が期待できる。
  2. 耕作放棄地は、イノシシ被害が発生する時期まで再生草が繁茂しないよう放牧や草刈りを励行する。また、放牧面積に応じて放牧方法を地域ごとに検討し、牛が食べ残す草量を抑えるように放牧を行う。
図表1 220378-1.gif
図表2 220378-2.gif
図表3 220378-3.gif
図表4 220378-4.gif
カテゴリ 水田 水稲 中山間地域

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