脂肪細胞分化を促進し核内受容体を活性化するシコクビエ

タイトル 脂肪細胞分化を促進し核内受容体を活性化するシコクビエ
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 2006~2010
研究担当者 関谷敬三
杉浦誠
齋藤武
阿部大吾
発行年度 2008
要約 シコクビエの一部の系統の抽出物は脂肪細胞分化を促進する。また、分化促進に関わる核内受容体のPPARαやPPARγの活性化が認められ、この活性化が分化促進の作用機序であると考えられる。
キーワード シコクビエ、脂肪細胞、核内受容体、PPAR、メタボリックシンドローム
背景・ねらい
脂肪細胞は単に脂肪を蓄積しているだけでなくメタボリックシンドローム、生活習慣病などに深く関与している。肥大した脂肪細胞からは生活習慣病を引き起こすホルモン様物質が分泌されている。一方、小さな脂肪細胞はそれらを予防することが知られている。したがって、脂肪細胞分化を促進し小さな脂肪細胞を作り出すことが健康維持に重要である。実際、分化促進作用を有する化合物が高脂血症や糖尿病の薬として使用されている。農作物についてこの分化に対する影響を検討してきたが今回いくつかのシコクビエ系統について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 10系統のシコクビエ(表1)からメタノールで成分を抽出しブタノールと水で分配する。前駆脂肪細胞としてマウス由来の3T3-L1細胞を用い、ブタノール画分(100μg/ml)を培地に添加し脂肪細胞分化に及ぼす影響を検討する。最も強い活性を示したのはNo.3系統で対照群と比べて分化を約13倍促進する。次いでNo.1、10なども分化促進作用が認められる(図1)。一方、水画分については活性が認められない。
  2. 生活習慣病予防作用を有するアディポネクチンの遺伝子発現をRT-PCRで測定すると、活性あるNo.3系統の抽出物は分化にともなうアディポネクチンの遺伝子発現を濃度依存的に上昇させる。最も強い作用を示す濃度は200μg/mlで遺伝子発現を約44倍上昇させる(図2)。なお、アディポネクチンは小型の脂肪細胞から多く分泌され善玉のアディポサイトカインとして知られている。
  3. 分化促進に関わる核内受容体PPAR(ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体)の活性化をリポータージーンアッセイ法で測定すると、同抽出物はPPARαを最も強く活性化し次いでPPARδやPPARγも活性化する(図3)。いずれも濃度依存的で最も強い200μg/mlの濃度ではそれぞれ約35、16、8倍の活性化が認められる。したがって、この核内受容体の活性化が同抽出物による脂肪細胞分化促進の作用機序であると考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. PPARαやPPARγの活性化剤はそれぞれ高脂血症、糖尿病の治療薬として用いられ、PPARδの活性化剤は肥満の治療薬と注目されている。したがって、シコクビエ抽出物もメタボリックシンドロームや生活習慣病の予防改善に有効である可能性がある。
  2. 本成果は培養細胞を用いて得られた結果であるので、生体における作用については別途検討する必要がある。
図表1 220530-1.gif
図表2 220530-2.gif
図表3 220530-3.gif
図表4 220530-4.gif
カテゴリ しそ

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