緩効性肥料と生分解性マルチと一工程収穫機を用いたサトイモ省力栽培

タイトル 緩効性肥料と生分解性マルチと一工程収穫機を用いたサトイモ省力栽培
担当機関 愛媛農研
研究期間 2007~2008
研究担当者 大森誉紀
河野 靖
池内浩樹
発行年度 2008
要約 緩効性肥料による全量基肥施肥と生分解性マルチを利用した無中耕無培土栽培と、収穫、拾上げ、親イモ分離を一工程でできる一工程収穫機を用いることで、サトイモの慣行栽培と比べ、作業時間が約24%短縮できる。
背景・ねらい
サトイモの慣行栽培では、定植から初回追肥までは黒ポリマルチで畝を被覆し、その後、茎葉が繁茂するまでに数回追肥と土寄せを行う。緩効性肥料を用いた全量基肥施肥栽培では土寄せを省略でき、生分解性マルチを用いるとマルチはぎ作業も省略できる。さらに、収穫、拾上げ、親イモ分離を一工程でできる一工程収穫機を用いることで、収穫にかかる作業時間も大幅に減少できるので、これら省力作業技術を組み合わせたサトイモ栽培の省力化を検証する。
成果の内容・特徴
  1. 慣行体系の作業内容は、堆肥散布、基肥施用、耕起、畝立て、マルチ張り、定植、除草、マルチはぎ、追肥、中耕、防除、かん水、収穫である。省力体系の作業内容では、マルチはぎ、追肥、中耕の作業が省略できる。(表1)。
  2. 総作業時間は、省力体系では基肥施用が全量基肥施肥であるため作業時間は長くなるが、除草作業時間の減少と、追肥等にかかる作業の省略、及び一工程収穫機利用による収穫作業時間の減少により、慣行体系の76%となる(表1)。
  3. 可販収量は、省力体系で4.0t/10a、慣行体系で3.4t/10aであり、同等以上である。秀品率は、それぞれ32%、26%であり、ほぼ同等である(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 3月定植で10月から12月にかけて収穫する普通作型に適応できる。また、適応土壌は、花こう岩を母材とする粗粒質の水田転換畑である。
  2. 緩効性肥料は、溶出期間が100から120日のタイプを使用する。
  3. 生分解性マルチは、分解が始まる時期が展張後60から90日のタイプを使用する。
  4. 一工程収穫機は、試作機である。
  5. 緩効性肥料を使用しても肥料費に大きな違いは無いが、生分解性マルチの利用でマルチ代は10aあたり約1万円多くなる。しかし、慣行栽培に比べ可販収量が多いため、販売額から資材費を引いた額は省力栽培で逆に多くなる。
図表1 220541-1.jpg
図表2 220541-2.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 栽培技術 さといも 収穫機 省力化 省力作業 除草 水田 施肥 防除

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる