阿蘇高原・中標高地帯の急斜面地におけるレッドトップ優占草地の段階的造成法

タイトル 阿蘇高原・中標高地帯の急斜面地におけるレッドトップ優占草地の段階的造成法
担当機関 家畜改良センター熊本牧場阿蘇支場
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約 阿蘇高原・中標高地帯(標高約500m)の急傾斜地において、永続性及び土地保全機能が高いレッドトップ優占の放牧草地を段階的に造成し、その牧養力はha当たり450~669カウデー/年であった。
背景・ねらい 九州の阿蘇高原地域における中標高地帯(標高約500m)では、急傾斜地にオーチャードグラスや、トールフェスク等の長草型草地を造成してこれを放牧利用すると、夏枯れ及び株化に伴って、牛道の発生が著しい。また、これら牛道は裸地化→土壌流亡に伴う溝状化を経て、斜面崩壊の原因となる。これに対して、匍匐型のレッドトップ草地は永続性が高く裸地をよく被覆して、斜面崩壊を抑止する。しかし、初期生育が遅いために不耕起造成すると草地化速度が遅い。そこで、長草型草種とレッドトップを混播して、先ず長草型牧草地を先行的に造成・利用し、放牧条件下で漸次レッドトップ優占草地へ交替させる方法、ならびにレッドトップ優占草地の牧養力を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 造成時の播種量及び施肥量:長草型草種(トールフェスク、フェストロリウム、H1ライグラスなどの播種量は各草種10~20kg/ha、合計で40~50kg/haとし、レッドトップの播種量は5~10kg/haとする。シロクローバを混播する場合は、播種量を5kg/ha程度とする。また、造成時の施肥量は、草地開発基準に準ずる。
  2. 造成後の植生推移:造成後1~3年目は、フェストロリウム等の長草型牧草が先行する。しかし、それらの衰退にともない、4年目にはシロクローバ及び耕地雑草が拡大し、その後レッドトップの生育が旺盛となり造成後5年目でレッドトップ優占の草地が成立する(図1、図2)。この時期の放牧は、1~3年目が650CD、4年目は300CD、5年目以降は550CDを目安に行う。
  3. 裸地率の推移:長草型草種が衰退した直後の裸地率は約70%であるが、レッドトップが急速に広がることにより30%程度に減少する(図2)。レッドトップの被度拡大は、裸地率の減少を図るとともに牛道を被覆し、土壌保全力を高める。
  4. >牧養力:レッドトップ優占草地の輪換放牧(年6~8回)条件下における年間の乾物被食量は450~669kgDM/haであり、利用率は約70%で比較的高い(表1)。また、乾物被食量を放牧飼養時の成雌牛の日乾物要求量(10kgDM/頭/日)で除すと、レッドトップ優占草地の年間の牧養力は450~669カウデー、平均で561カウデーであると算出される。
成果の活用面・留意点
  1. 九州・中標高の放牧地において適用可。
  2. 長草型牧草地の衰退期には牧養力が低下するので、放牧圧を下げる必要がある。
  3. 長草型牧草地の衰退期におけるレッドトップの追播は裸地率の減少に効果がある。
図表1 220592-1.gif
図表2 220592-2.gif
図表3 220592-3.gif
カテゴリ 病害虫 傾斜地 雑草 施肥 播種

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