タイトル |
カンショ繊維質画分の糖組成 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1991~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
カンショ繊維質を数画分に分けて、その糖組成を明らかにした。ペクチンは酸性糖が主体であり、ヘミセルロースにはキシラン系の多糖が多量に含まれる。
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背景・ねらい |
カンショ加工工程で生じる澱粉粕、焼酎粕には多量の繊維質が含まれている。この繊維質の新たな利用法を検討し、廃棄物量の軽減化を図る必要がある。そこで、カンショから細胞壁画分を調整し、種々の多糖画分に分け、その構成糖を明らかにする。さらに、ヘミセルロース系多糖についてのみ、酵素分解法により、構成糖の結合様式について解明する。
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成果の内容・特徴 |
- カンショ(コガネセンガン)繊維質粗画分を溶媒抽出法でペクチン、ヘミセルロース、セルロースの3つの画分に分けることができる(図1)。各多糖画分の構成糖は、ペクチンでは酸性糖が最も多く、ヘミセルロースではグリコース、キシロースの順に多く、セルロースではグルコースがほぼ100%を占める(表1)。
- ヘミセルロースはヨード複合体を形成する画分(HC-IP)と形成しない画分(HC-IS)に分けることができ(図1)、HC-IP画分はキシロースの割合が高い(表1)。
- StreptomycesE-86由来のキシラナーゼでヘミセルロースとHC-IP画分とを分解し、分解前と分解後の未分解産物の中性糖組成について調べたところ、両画分ともに、酵素分解中にキシロースの割合が大きく低下する(表2)。このことは、ベータ-1,4で結合したキシロースが多いことを示す。
- キシラナーゼ反応で生成したHC-IP画分のキシロオリゴ糖では、直鎖のキシロオリゴ糖の比率が高く、この画分は直鎖状のキシランを多く含むことが明かである(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
カンショ繊維質のヘミセルロースには、天然には少ない直鎖キシランが多く含まれることが明かとなり、整腸作用を有する直鎖キシロオリゴ糖の原料にすることが可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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図表7 |
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図表8 |
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カテゴリ |
加工
かんしょ
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