ハスモンヨトウ抵抗性大豆品種の育成が可能な室内選好性選抜法

タイトル ハスモンヨトウ抵抗性大豆品種の育成が可能な室内選好性選抜法
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 異儀田和典
羽鹿牧太
高橋将一
酒井真次
松永亮一
中澤芳則
発行年度 1998
要約 品種・系統間の好き嫌いをシャーレ内の幼虫の摂食量で判定する室内選好性選抜法により、ハスモンヨトウ抵抗性を有する大豆品種の育成が可能である。九州農業試験場・作物開発部・大豆育種研究室
背景・ねらい 西南暖地で多発する大豆の主要害虫ハスモンヨトウの防除手段は、農薬散布以外に無いことから抵抗性品種の育成が強く求められている。しかしながら、幼虫の発生時期や密度などが圃場内、年次により大きく変動するため、ハスモンヨトウ抵抗性大豆の正確な圃場選抜は困難である。そこで、通常の品質・収量に関する選抜に加えて、一定の条件下で幼虫に品種・系統間での好き嫌いを選ばせる室内選好性選抜法を併用することで、良質・多収性を兼ね備えたハスモンヨトウ抵抗性品種の育成が可能であるか検証する。
成果の内容・特徴
  1. 品種・系統間の選好性程度の差をシャーレ内の幼虫の摂食量で判定する選好性選抜法により、ハスモンヨトウ抵抗性を有する品種・系統が判定できる(図1中の写真)。
  2. 室内選好性選抜法(図1)を用いて、F個体群からハスモンヨトウの選好性程度が低い個体を選抜すると、選好性程度のより低いF個体群が選抜できる(図2)。
  3. 納豆小粒/ヒメシラズの交配後代では、品質・収量性等の通常の選抜に加えて、室内選好性選抜法による選抜を行い、ハスモンヨトウの選好性程度がヒメシラズと同様に低く(表1)、納豆小粒に比べて収量が高い良質の白目小粒系統(九交589-8-5)が選抜できた(表2)。
  4. 九交589-8-5はフクユタカに比べ蛹重が低下し蛹化日数が延び(表1)、非選好性であるばかりでなく、ハスモンヨトウの生長を抑制する抗生性も兼ね備えている。
成果の活用面・留意点
  1. 九交589-8-5は、九系279の系統名を付し、平成11年度から系統適応性検定試験に供試して評価する。
  2. 育成した抵抗性系統は減農薬を目指した総合防除技術の確立の素材として有効か否か検討する。
図表1 220788-1.gif
図表2 220788-2.gif
図表3 220788-3.gif
図表4 220788-4.gif
カテゴリ 病害虫 育種 害虫 総合防除技術 大豆 多収性 抵抗性 抵抗性品種 農薬 品種 防除

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