ナシ「新高」の果実肥大特性

タイトル ナシ「新高」の果実肥大特性
担当機関 大分県農業技術センター
研究期間 1998~2001
研究担当者 川田重徳
広瀬正純
藤田義明
中尾茂夫
発行年度 1998
要約 ナシ「新高」の果実はS字型生長曲線を描いて肥大し、最も急激な肥大は満開後90~120日である。最終的に大きさが異なる果実の肥大経過には2つのタイプがある。1つは幼果時の大きさの違いで、もう1つは満開後150日頃からの肥大の違いである。大分県農業技術センター・果樹部
背景・ねらい 九州の「新高」は、秋季の気温が高いため品質がよく、大きな競合産地も少ないことから、他品種にくらべ有利な経営が行われている。この「新高」の収益をさらに高める技術条件の一つに、大果生産による多収がある。「新高」は栽培経歴が古いナシであるが、長く地方特産的な品種であったため、全国的レベルの「二十世紀」、「幸水」のような科学的なデータ蓄積が乏しい。そこで、「新高」の大果生産技術確立の一助とするため、果実の肥大特性を明らかにする。
成果の内容・特徴 1997年と1998年の2か年にわたって、現地(日田市)の代表的な6園より、各園1樹20果について、満開後30日~収穫まで約30日間隔、収穫期のみ7~8日間隔で果実横径の短径と長径を調査した。
  1. 調査樹全体の果実肥大パターンは、小さな違いはあるものの、ほぼS字型生長曲線を描いて肥大した。生長曲線の中で最も急激な肥大を示したのは、両年とも満開後90~120日であった(図1、図2)。
  2. 最終的に大きくなる果実と小さい果実の肥大経過に、2つのタイプがみられた。1つは、幼果時からすでに明らかな大きさの違いがあり、その違いが肥大の進行と共にさらに大きく広がり、最終的な大小が決まるケース。もう1つは、幼果時の大きさ、その後の肥大もほぼ同じ経過をたどり、満開後120日頃から急激に肥大差が顕著になり、最終的な大小が決まるケースであった。この肥大経過の特徴は樹によって異なり、調査した2か年12事例の中では後者のケースの方が明らかに多かった(図1、図2)。
  3. 気象条件が異なる1997年と1998年の肥大パターンの比較では、幼果時の大きさは1998年の方が明らかに大きかったが、満開後150日頃から肥大が鈍化し、これ以降大きさが逆転し、1997年の方が明らかに大きい果実となった。これは、1998年が幼果時から高温傾向で推移したこと、夏季が高温・干ばつで、降雨が非常に少なかったことがその要因と判断された(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 「新高」の果実肥大特性のポイントがほぼ究明できたことから、本成果を今後の大果生産技術確立の研究に活用する。
図表1 220893-1.gif
図表2 220893-2.gif
図表3 220893-3.gif
カテゴリ 経営管理 品種

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