島原半島の青果用バレイショにおけるウイルス病の発生状況

タイトル 島原半島の青果用バレイショにおけるウイルス病の発生状況
担当機関 長崎県総合農林試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 小川哲治
発行年度 1998
要約 バレイショ春作・秋作時のウイルス病様症状株から検出されるジャガイモウイルスは、単独感染ではPVYが、2種以上のウイルスによる混合感染ではPVY+PVSが検出頻度が高い。長崎県総合農林試験場・環境部・病害虫科
背景・ねらい 長崎県のバレイショ栽培において、モザイク症状およびえそ症状の発生が近年増加傾向にあり問題となっている。しかし、その原因と思われる病原ウイルスの種類、系統および性状については不明な点が多く、本病の早期発見や防除対策が困難になっている。茎葉の症状と病原ウイルスとの関係解明を目的として、1997年秋作時及び1998年春作時に島原半島の青果バレイショ栽培地においてウイルス病様症状株を採取し、ELISA法によって5種のウイルス(PVY、PVX、PVM、PVS、PLRV)の発生実態を調査した。
成果の内容・特徴
  1. ウイルス検出株において、個別のウイルスに単独感染している株は春作時に20.5%、秋作時に24.5%検出されたのに対し、数種のウイルスに混合感染している株は、春作時に79.4%、秋作時に75.5%検出され、ウイルス病様株のほとんどが2種以上のウイルスに感染していることが明らかとなった(図1)。また、検出されたウイルスはPVY、PVX、PVS及びPLRVで、PVMは検出されなかった。
  2. 検出される割合が高いウイルスは、単独感染ではPVY、混合感染株ではPVY+PVSであった(図2・図3)。PVYは、単独・混合感染株を併せて春作79.4%、秋作90.0%の株から検出され、今回検出対象としたウイルスの中で最も高頻度に検出された(図4)。
  3. バレイショ茎葉におけるウイルス病様症状と検出されるウイルスとの関係は、傾向的なものは認められるものの症状が明瞭でないもの(無病徴、軽いれん葉症状)の存在もあり明確ではない(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 青果バレイショ栽培地において発生しているウイルス(PVY、PVS及びPLRV)は、アブラムシ伝搬あるいは種イモ伝染するので、これらに対する防除対策が重要である。
  2. ほ場での肉眼によるウイルス病の診断は困難な場合がある。
  3. ジャガイモウイルスと主要品種における病徴との関係を防除対策に利用できるよう解析する必要がある。
図表1 220962-1.gif
図表2 220962-2.gif
図表3 220962-3.gif
図表4 220962-4.gif
図表5 220962-5.gif
カテゴリ 病害虫 害虫 春作 ばれいしょ 品種 防除 モザイク症

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