タイトル |
アルギニノコハク酸リアーゼ遺伝子はメロンつる割病菌の病原性に関与する |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
奥田充
松永路子(名大農)
西和文
柘植尚志(名大農)
並木史郎
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発行年度 |
1998 |
要約 |
遺伝子タギングによって分離したメロンつる割病菌の病原性変異株は、アムスメロンに対する病原性を喪失している。この変異株は、アルギニノコハク酸リアーゼ遺伝子が変異したため、アルギニン要求性である。本株にアルギニンを前処理すると、アムスメロンに対する病原性を回復する。九州農業試験場・地域基盤研究部・病害生態制御研究室
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背景・ねらい |
メロンつる割病菌には、病原性が明瞭に分化し、メロンの異なる品種群に病害をひきおこす多様な菌系が存在するため、農業現場では混乱が生じている。そこで、染色体DNAへの形質転換ベクターのランダムな組み込みを利用した遺伝子タギング法(REMI法)により、本菌の病原性関連遺伝子の検索・単離及び機能解析を行い、病原性分化機構の解明をはかる。
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成果の内容・特徴 |
- ハイグロマイシンB抵抗性を指標とするプラスミドpSH75をベクターとして、アムス及び黄金九号に病原性を示すメロンつる割病菌レース2(Mel02010株)を形質転換すると、アムスに対する病原性のみを喪失した変異株(FMMP95-1株)が得られた(表1)。
- FMMP95-1株は最小培地上では全く生育できないが、最小培地へのアルギニン添加により生育可能である。したがって、FMMP95-1株はアルギニン要求性変異株である(表2)。
- FMMP95-1株から回収したベクタ-DNAの挿入領域には、アルギニン生合成系の最終段階(アルギニノコハク酸をアルギニンとフマル酸に分解する反応)を触媒するアルギニノコハク酸リアーゼ遺伝子が存在する(図1)。
- FMMP95-1株のbudcellを100ppm及び500ppmのアルギニン水溶液中で一定時間培養後、アムス及び黄金九号に接種すると、両品種とも発病した。すなわち、FMMP95-1株はアルギニン前処理により病原性を回復する(図2)。
- FMMP95-1株ではアルギニノコハク酸リアーゼ遺伝子にベクタ-DNAが組み込まれてアルギニン要求性となり、アムスに対する病原性を喪失している。したがって、アルギニンが本菌の病原性に関与することが示唆される。なお、糸状菌からの本遺伝子の単離は、本研究が最初である。
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成果の活用面・留意点 |
- メロンつる割病菌の病原性分化機構の解明に直結する。
- メロンつる割病抵抗性品種の効率的利用技術の確立にあたり活用できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
抵抗性
抵抗性品種
品種
メロン
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