水系に棲息する動物のスクミリンゴガイ捕食能力

タイトル 水系に棲息する動物のスクミリンゴガイ捕食能力
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1998~2000
研究担当者 市瀬克也
杉浦直幸
遊佐陽一
和田節
発行年度 1998
要約 水系に棲む多くの動物がスクミリンゴガイの孵化貝を捕食する。コイ・クサガメ・アイガモなど7種の天敵は殻高20mm以上の成貝も捕食する。九州農業試験場・地域基盤研究部・害虫生態制御研究室
背景・ねらい 水稲を加害するスクミリンゴガイに対する天敵の有効利用は、環境負荷の少ない防除法として、水田のみならず他の水系においても実現が期待されている。天敵の捕食能力は貝密度の抑制を考える上で重要な要素であるが、関連する知見は極めて限られている。そこで、日本の水系に棲む46種の動物の潜在的な捕食能力を室内実験により調べる。
成果の内容・特徴
  1. 様々な大きさのスクミリンゴガイ36個体と、これを捕食する可能性のある動物1個体を60リットルの水槽等で3日間飼育して、捕食された貝の個体数と大きさを調べた(各動物種につき基本的に3反復)。
  2. 調査した46種のうち27種が少なくとも孵化貝を捕食する(図1、表1)。
  3. そのうち17種の動物が殻高6mm以上の貝を捕食可能であり、さらに7種はほぼ成貝のサイズである殻高20mm以上の貝も捕食する。
  4. コイ・アイガモ・クサガメ・ドブネズミは実験に供した貝個体数の7割以上を捕食し、捕食能力が特に高い。
成果の活用面・留意点
  1. 人為的な放飼や水系環境の保持・改善により、天敵の捕食圧を利用した貝密度の抑制が期待できる。
  2. 天敵の捕食能力は天敵のサイズや供試以前の餌条件により異なる。
  3. 天敵を利用する際には在来の生態系に対する影響にも留意すべきである。
図表1 220986-1.gif
図表2 220986-2.gif
カテゴリ 病害虫 害虫 水田 水稲 スクミリンゴガイ 防除

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