タイトル |
数値地図50mメッシュを用いた日射環境推定システム |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
丸山篤志
黒瀬義孝
大場和彦
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発行年度 |
1998 |
要約 |
数値地図50mメッシュの標高データをもとに地形を再現し,月別のポテンシャルな日射量分布を50mメッシュで推定するシステム。九州農業試験場・生産環境部・気象特性研究室
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背景・ねらい |
地形条件が複雑な地域では,周辺地形による日射の遮蔽と日射を受ける斜面自体の向きや傾きのバラツキにより,日射環境は複雑な分布を示す。日射の多少は最終的に作物の収量や品質の違いとなって現れるため,地形条件の複雑な地域で営まれる農業にとって日射環境を把握することは極めて重要である。そこで,数値地図50mメッシュを用いて,50mメッシュの日射環境を推定するシステムを作成する。
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成果の内容・特徴 |
- システムを稼働するためには,数値地図50mメッシュの地形情報を必要とする。計算対象メッシュから半径3kmまでは50mグリッド標高値,半径3kmから25kmまでは250mグリッド標高値を用い,5゜刻み(72方位)で周辺地形を再現する(図1)。再現された地形と太陽との位置関係を10分毎に求め,メッシュに入射する直達日射量を計算する(図2)。また,散乱日射量は天空率をもとに計算する。
- 月別のポテンシャルな日射量を50mメッシュで推定できる。日射量の推定は1/2.5万地形図単位で行われる。地形を棚田として利用した場合(水平面日射量)と現地形のまま農地として利用した場合(斜面日射量)の日射量の推定が可能である。推定された日射量はX-Y座標系でテキストファイルの形で出力される。
- 地形条件が複雑な地域では,従来から使われている1kmメッシュや250mメッシュでは日射量の推定に限界がある。50mメッシュを用いることにより実状にあった日射量の推定が可能である(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 推定された日射量は農耕地の適地判定等の指針として利活用できる。
- 推定された日射量は希望者に提供可能である。ただし,日射環境推定システムは職務作成プログラムとして登録後に公開する。
- 本システムを利用するには数値地図50mメッシュ(市販品)が必要である。数値地図50mメッシュは日本全体をカバーしており,本システムは全国で利用可能である。
- 図3の様な画像を出力するには図化するソフト(Excel等)が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
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