メッシュ気候値を用いた水稲・麦類の生育ステージ推定システム

タイトル メッシュ気候値を用いた水稲・麦類の生育ステージ推定システム
担当機関 佐賀県農業試験研究センター
研究期間 1998~1998
研究担当者 重富修
馬場崎一俊
発行年度 1998
要約 発育速度(DVR)を用いた水稲及び麦類の生育ステージ推定モデルとメッシュ気候値を用いて、県内全域での生育ステージを推定してメッシュ分布図を出力するシステムを開発した。佐賀県農業試験研究センター・企画流通部・情報システム研究室
背景・ねらい 水稲・麦類の作付品種の多様化や作期幅の拡大に伴い、その地域の品種、作期にあわせた肥培管理のための情報が必要となっている。また、新品種導入の際にはその品種の生育特性が作期等を決定する情報となる。そこで、発育速度の概念による生育ステージ推定モデルを用いて、県内のメッシュ単位に生育ステージを推定し、メッシュ分布図を出力するシステムを開発した。
成果の内容・特徴
  1. 対象とする水稲品種は、「コシヒカリ」「あこがれ」「佐賀10号」「ヒノヒカリ」で、推定する生育ステージは、移植期~出穂期、出穂期~成熟期、移植期~成熟期である(図1)。また、対象とする栽培法は稚苗移植栽培である。
  2. 水稲の出穂期の推定には気温と日長を用いた次式のパラメータをシンプレックス法で求めたモデルを使用した(表1)。
    1. DVR=(1-exp(a(L-b)))/e/(1+exp(-c(T-d)))、L:日長、T:気温、a,b,c,d,e:パラメータ
    2. 出穂期~成熟期の推定には気温を用いたノンパラメトリック法により温度別の生育速度を求めた(図2)。
  3. 対象とする麦類品種は、「あまぎ2条」「シロガネコムギ」で、推定する生育ステージは、播種期(または出芽期)~幼穂形成期、播種期(または出芽期)~出穂期、出穂期~成熟期である。
  4. 麦類の幼穂形成期および出穂期の推定には気温と日長を用いたノンパラメトリック法によるモデルを、出穂期~成熟期の推定には気温を用いたノンパラメトリック法によるモデルを使用した(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 気温の実況値を用いた特定年次の推定では、平均気温の日別実況値が作成されている日までは実況値を用い、それ以降は日別平年値を用いて推定する。なお、日長は可照時間を用いる。
  2. モデルによる推定誤差は、水稲の移植期から出穂期2~3日、出穂期から成熟期3~4日、麦類の播種期から幼穂形成期4~5日、播種期から出穂期3~4日、出穂期から成熟期2~3日程度と考えられる。
  3. メッシュ気候値の気温の日別平年値は気象庁が作成した月別平年値を日別に変換したものを、気温の日別実況値は、「アメダスデータのメッシュ化システム」(清野 1997)で作成したものを使用している。
  4. 本システムはWindows95上で動作する。
図表1 221062-1.gif
図表2 221062-2.gif
図表3 221062-3.gif
図表4 221062-4.gif
カテゴリ あま 新品種 水稲 播種 肥培管理 品種

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