中生カンキツ「天草」の高品質果実生産のための収穫適期および退色防止

タイトル 中生カンキツ「天草」の高品質果実生産のための収穫適期および退色防止
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 1980~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 カンキツ「天草」は、福岡県内の中晩生カンキツ産地では1月中旬に全糖含量が高まって食味も向上し、収穫適期となる。果皮の退色は、袋かけすることで抑制され、外観良好な赤橙色の果実を生産することができる。福岡県農業総合試験場・園芸研究所・果樹部・常緑果樹研究室
背景・ねらい 豊産性で果皮色の赤橙色が特徴の早熟の中生カンキツである「天草」は、「清見」の前に出荷され、イヨカンに代わる品種として福岡県では栽培が拡大している。「天草」の品種特性については九州農業研究成果情報第9号で明らかにされている。しかし、栽培が普及するにつれて、地域による減酸の早晩、果皮の退色等がみられることから、収穫が早められる傾向がある。そこで、「天草」の主力産地である糸島において、果実品質の高まる収穫時期、退色防止技術について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 「天草」の果実品質は、12月下旬にはクエン酸含量 1.0%前後、糖度は11度に達する。全糖含量は1月中旬に急激に高まり、果肉は軟らかくなって食味が良好となる(図1、一部データ略)。着色、減酸は「清見」よりも早く進み、成熟期は1カ月以上早い(図1、一部データ略)。
  2. 袋かけをすることで果皮の退色が抑えられ、1果実内の果皮色の濃淡の差が小さくなり、着色むらの小さい、赤橙色の果実が得られる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 「天草」の栽培技術指針作成の資料とする。
  2. 退色防止の袋かけに被覆用ネット(商品名サンテ)を使用すると、冬季雨天が続く時は過湿となって果皮障害を生じることがあるので、園内の通風を良くするよう心がける。
  3. かいよう病、そうか病に弱いため、施設化して生産安定を図ることが望ましい。
  4. 気象条件により収穫時期が変動するので注意する。
図表1 221162-1.jpg
図表2 221162-2.jpg
カテゴリ 伊予柑 栽培技術 出荷調整 品種 良食味 その他のかんきつ

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