タイトル |
籾から苗、葉、穂へ至るいもち病菌伝染過程の分子マーカーによる証明 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1999 |
要約 |
AFLP(増幅断片長多型)法によっていもち病菌を追跡すると,イネの全生育期間を通して同一の電気泳動パターンを示す菌株が存在する。このことから、籾や苗の菌が、葉いもちおよび穂いもちの伝染源となることが明らかである。九州農業試験場・地域基盤研究部・病害生態制御研究室
|
背景・ねらい |
いもち病の防除において、伝染源の解明とその除去は最も重要である。そこで、菌株の識別に有効とされるAFLP(増幅断片長多型)法を用いて、イネの全生育期間におけるいもち病菌の追跡を行い、感染籾や育苗中の発病苗の伝染源としての重要性、および葉や穂までの伝染過程を明らかにする。
|
成果の内容・特徴 |
- いもち病菌のAFLP検出に用いた3種類のプライマーの組合わせ(EcoRI-/ MseI-:AC/CA、AA/CG、AT/CC)では、いずれの場合においても20~30の断片が検出され、AFLP解析は病原菌のDNA多型の検出に有効である(図1)。
- いもち病菌DNAの増幅制限酵素断片の電気泳動パターンは、 同一圃場の菌株間では極めて類似している。
- 籾、苗、葉および穂から分離したいもち病菌菌株には、同一の増幅制限酵素断片の電気泳動パターンを示すものが存在する(図1)。このことは、籾や苗のいもち病菌がその後の葉いもち、穂いもちの伝染源となることを意味する。
|
成果の活用面・留意点 |
- 種子消毒の徹底および適期の薬剤散布を促すための知見となる。
- いもち病菌の外部からの飛び込み(水平移動)については、今後検討を要する。
|
図表1 |
 |
カテゴリ |
病害虫
育苗
いもち病
種子消毒
防除
薬剤
|