タイトル |
電話回線を利用して遠隔操作ができる水田用排水管理システム |
担当機関 |
熊本県農業研究センター |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
遠隔操作による、水田の汎用化に対応する水管理を制御・計測できるシステムである。本システムはパソコンを利用し、電話回線を通じて、4種類の水管理プログラムを、それぞれ現地に送信し制御する。あわせてデータ収集も可能である。熊本県農業研究センター・農産園芸研究所・農業工学部
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背景・ねらい |
水田における水管理作業は毎日においては僅かであるが、経営規模を拡大していくと多大な労力を要する。また、水管理は経験に頼ることが多く技術の確立が不十分である。これらのため、水管理の自動制御およびデータ収集が可能なシステムを開発し、稲の良好な生育となる最適水位および諸要因を分析し、効率的水管理の確立に資するものとする。
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成果の内容・特徴 |
- 開発した水管理システムを図1に示す。システムの構成は、(1)制御機器と(2)水管理装置および(3)遠隔地の操作部である。(1)はGreenKit100とセンサ(水位計、流量計、気・地・水温計、雨量計、EC計)であり(2)は暗渠施設、水槽、ポンプ、バルブ等であり、(3)はパソコンと電話機である。制御ソフトはWindows95対応のDL300を利用する.
- 水田の汎用化型水管理プログラムは、用水、循環かんがい、地下かんがい、排水であり、各プログラムは遠隔地のパソコンから電話回線を通じて入れ替えが可能である。
- 制御を行いながら水管理装置の動作と計測データのモニタリングおよび、計測データの記憶ができ、遠隔地のパソコンから記録データの収集ができる。
- 制御プログラムの入力は表計算ソフトと似た感覚で容易に操作ができ(図2)、作成されたプログラムは保存、コピー、編集が可能である。
- 遠隔操作用の電話回線として、一般公衆回線、ISDN回線、携帯電話、PHSの選択が可能であり、現地に有線の電話回線が引けない場合でも、電波が届く範囲であれば携帯電話、PHSを利用することができる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- このシステムを利用することにより、水田の水稲栽培や畑作物における各生育ステージおよび環境に適合した水管理技術を開発できる。
- 4種類の水管理以外の汎用的な利用方法として制御、監視、データ収集は、新たなプログラムを作成することにより可能である。
- 圃場(現地)に商用電源が引かれていることを前提とする。
- 制御・計測中は、制御プログラムと計測データを内部メモリに記憶するため、通信回線が常時接続されている必要はない。
- 電源及びセンサ線に避雷器を入れ、誘導雷対策を行う必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
遠隔操作
経営管理
自動制御
水田
水稲
水管理
モニタリング
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