タイトル |
コルヒチン処理によるカボス4倍体の作出とフローサイトメトリーを用いた倍数性検定 |
担当機関 |
大分県農業技術センター |
研究期間 |
1999~2008 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
多胚性であるカボスの胚をコルヒチン処理することにより、高率に4倍体を作出できる。また、培養1~2ヶ月後の幼植物の葉片でフローサイトメトリーを利用した倍数性検定が可能である。大分県農業技術センター・生物工学部
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背景・ねらい |
カボスは、その果実中に多くの種子をもつため、数種の無核系品種が育成されている。しかし、これらの品種は有核系品種と比較して、貯蔵性や品質の面で劣り、優良系統由来の無核系品種の作出が求められている。そこで、濃緑で貯蔵性の良い優良系統「豊のミドリ」由来の3倍体利用による無核系品種を育成するため、その交配親となる「豊のミドリ」4倍体をコルヒチン処理により作出するとともに、倍数性検定におけるフローサイトメトリーの利用及び検定時期について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 無菌的に摘出した胚をコルヒチン溶液(0.2% Colchicine,2% DMSO)に浸漬処理し、MT培地で培養することによって、4倍体を作出できる(表1)。
- コルヒチン処理時間は、4倍体及びキメラの発生率から24時間が適当である(表1)。
- 胚の培養にはMT培地(Malt Extract 400mg/l,Adenine 40mg/l,Sucrose 30g/l,Gellan Gum2.0g/l,pH5.8)を用い、発根を認めたらMT培地(Sucrose 30g/l,Gellan Gum 2.0g/l,pH5.8)に移植する。
- フローサイトメトリーによる既知の4倍体(2n=36)の葉を用いた倍数性検定では、既知の2倍体(2n=18)の2倍の蛍光強度にピークが得られる(図1)。
- 培養容器中の幼植物体及び馴化鉢上げした個体でのフローサイトメトリーによる倍数性検定では、両者に蛍光強度の位置に差がなく、コルヒチン処理後1~2ヶ月程度で検定が可能である(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- カボス3倍体作出における交配親(4倍体)の作出、選抜に活用できる。
- 最終的な倍数性の決定は、検鏡による倍数性検定と併せて行う必要がある。
- フローサイトメトリーによる倍数性検定の方法は園芸学会九州支部研究集録第7号、21ページに準ずる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
かぼす
品種
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