矮性のクロタラリア(Crotararia breviflora)の線虫密度低減効果と緑肥としての利用

タイトル 矮性のクロタラリア(Crotararia breviflora)の線虫密度低減効果と緑肥としての利用
担当機関 九州農業試験場
研究期間 2000~2001
研究担当者 持田秀之
小林透
立石靖
発行年度 2000
要約 矮性のクロタラリア(C.breviflora)は、従来のクロタラリア(C.juncea)に比べて草丈が低く茎に柔軟性があるため、耐倒伏性が強くすき込み時の作業性に優れる。また、線虫対抗植物のラッカセイと同等の線虫密度低減効果を有しており、堆肥無施用の場合にはすき込み量が多いほど後作ダイコンの収量が増加する。九州農業試験場・畑地利用部・生産管理研究室(九州沖縄農業研究センター畑作研究部生産管理研究室)、九州農業試験場・地域基盤部・線虫制御研究室(九州沖縄農業研究センター地域基盤研究部線虫制御研究室)
背景・ねらい 南九州の畑作地帯では、連作障害を防ぐために頻繁な農薬散布が行われており、環境負荷が増大し、生態的な機能が著しく阻害されている。そのため、連作障害の主因である線虫害の防止を目的として、マリーゴールド、ラッカセイ、クロタラリアなどの線虫対抗植物が作付体系に導入されている。ここでは、新たに導入した矮性のクロタラリアの線虫対抗性を評価するとともに、その緑肥としての効果を明らかにし、多面的な利用を図ろうとした。
成果の内容・特徴
  1. 矮性のクロタラリアは、従来のクロタラリアに比べて生草収量はやや少ないが、草丈が低く茎が柔軟なため倒伏しにくくすき込み時の作業性に優れている(表1)。
  2. 矮性のクロタラリアの適栽植密度は、強勢分枝が多く株が開張しているため、従来のクロタラリアに比べて少ない(表1)。
  3. 矮性のクロタラリアは、従来のクロタラリアに比べて生育が遅く、土壌表面の被覆に時間を要するが、開花期には黄色の花が密生して咲き景観作物として利用できる(図1、写真1)。
  4. 矮性のクロタラリアは、ラッカセイと同程度にサツマイモネコブセンチュウ(以下ネコブセンチュウと略す)とミナミネグサレセンチュウ(以下ネグサレセンチュウと略す)の密度を低減することができる(図2)。
  5. 堆肥を施用しない場合には、すき込みによって後作ダイコンの収量は増加するが、施用した場合にはすき込みによる後作ダイコンの増収は期待できない(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 湿害に弱いため、排水の良好な圃場で栽培する。
  2. 後作を栽培する場合には、すき込み後約3週間の間隔を空ける。
  3. 施肥はダイズ等の豆科作物に準じて行い、窒素3~5kg、リン酸10~15kg、カリ10~15kg/10aとする。
  4. 雑草の多い圃場では、条播して中耕などの中間管理作業が行えるようにする。
図表1 221397-1.jpg
図表2 221397-2.jpg
図表3 221397-3.jpg
図表4 221397-4.jpg
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カテゴリ 病害虫 雑草 湿害 施肥 だいこん 大豆 農薬 マリーゴールド らっかせい 連作障害

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