薬用植物ミシマサイコとハーブ類の線虫密度低減効果

タイトル 薬用植物ミシマサイコとハーブ類の線虫密度低減効果
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1997~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 薬用植物ミシマサイコと一部のハーブ類は線虫密度低減効果を持ち、ミシマサイコとペパーミントを栽培した跡地では、ミナミネグサレセンチュウの密度が低く抑えられ、後作サトイモの収量はサトイモ連作より高くなる。九州農業試験場・畑地利用部・生産管理研究室(九州沖縄農業研究センター畑作研究部生産管理研究室)、九州農業試験場・地域基盤研究部・線虫制御研究室(九州沖縄農業研究センター地域基盤研究部線虫制御研究室)
背景・ねらい 南九州畑作地帯における連作障害の主要因としては、サツマイモネコブセンチュウ(以下ネコブセンチュウと略す)、ミナミネグサレセンチュウ(以下ネグサレセンチュウと略す)を主体とする線虫被害が上げられる。これまでに、マリーゴールド、ラッカセイなどの線虫対抗植物(作付けにより裸地より線虫密度が低下する植物)の作付けによって線虫密度が低下することがわかっているが、輪作体系に導入できる線虫対抗植物の種類は限られており、新たな対抗植物の探索と導入は欠かせない。ここでは、薬用植物のミシマサイコとハーブ類における線虫密度の低減効果と後作サトイモの収量に対する影響を明らかにしようとした。
成果の内容・特徴
  1. サトイモの作付けは線虫密度を増加させるが、ミシマサイコを栽培すると、ラッカセイと同程度にネグサレセンチュウの密度が抑えられ、裸地より線虫密度が低下する(図1)。
  2. ルバーブを始め供試16種のうち8種のハーブは、ネコブセンチュウの線虫密度を植付前より増加させるが、スイートマジョラム、ペパーミント及びスペアミントでは裸地と同程度に低下させる(図2)。
  3. ネグサレセンチュウでは、ソレルフレンチ、スペアミント、スイートマジョラム、コリアンダー、ルバーブを除き、ペパーミントを始め供試16種のうち11種のハーブは裸地より線虫密度を低下させ、線虫対抗植物に匹敵する線虫密度低減効果を示す(図3)。
  4. 線虫汚染圃場でペパーミント、ミシマサイコ、サトイモを栽培し、その後作にサトイモを栽培した場合、ペパーミント、ミシマサイコ跡のサトイモでは、ネグサレセンチュウの密度が低く抑えられ、サトイモ連作より収量が高くなる(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. ミシマサイコとペパーミント以外はポット栽培において得られた結果であるため、実用的に線虫密度低減効果を評価するには圃場での検討が必要である。
  2. 線虫にはレースが存在し線虫害の様相が異なるので、それぞれのレースについて線虫密度の低減効果を調査する必要がある。
図表1 221400-1.jpg
図表2 221400-2.jpg
図表3 221400-3.jpg
図表4 221400-4.jpg
カテゴリ コリアンダー さといも マジョラム マリーゴールド らっかせい 輪作体系 ルバーブ 連作障害

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