防虫網を組み込んだフルオープンハウスを利用した軟弱野菜の生育と防虫効果

タイトル 防虫網を組み込んだフルオープンハウスを利用した軟弱野菜の生育と防虫効果
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 2000~2001
研究担当者 月時和隆
山村裕一郎
林三徳
嶽本弘之
発行年度 2000
要約 目合い1.0mmないし2.0mmの防虫網を組み込んだビニル巻き上げ式フルオープンハウスで、高温期に栽培したチンゲンサイ、ホウレンソウ、小松菜の生育は、慣行ハウスでの生育よりも優れる。このフルオープンハウスは、鱗翅目害虫による被害を顕著に抑制できる。しかし、目合い2.0mmはコナガの侵入防止には十分でない。福岡県農業総合試験場・八女分場・中山間地作物研究室、福岡県農業総合試験場・生産環境研究所・病害虫部・野菜花き病害虫研究室
背景・ねらい 夏季の軟弱野菜栽培は、中山間地域においても高温による生育抑制などが問題となる。そのため、近年、換気性に優れたフルオープンハウス(屋根開放型施設)に対する期待が大きい。そこで、防虫網組み込みで夏季の昇温抑制効果が大きい八女分場型フルオープンハウスを開発した。ここでは、この施設を利用したチンゲンサイなど軟弱野菜の生育と防虫効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 防虫網組み込みの八女分場型フルオープンハウスでは、軟弱野菜用の慣行ハウスに比べ、チンゲンサイ、ホウレンソウ、小松菜の高温期の生育は優れる。特にホウレンソウでは、このハウス内に遮熱資材(白冷紗など)を内張り被覆した効果が見られる(表1)。
  2. 防虫網の目合いでは、0.8mm以下は晴天日の気温上昇と透過光線量減などにより、チンゲンサイの生育が劣る(図1)。
  3. 天井部を1.0mmの防虫網で被覆した八女分場型ハウス1では、鱗翅目害虫(コナガ、アオムシ、ハスモンヨトウ)による被害を顕著に抑制できる。なお、天井部の目合いが2.0mmの場合は、コナガの侵入防止には十分でない(表2、表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 夏季に、施設で軟弱野菜を栽培する場合の昇温抑制及び害虫防除技術として活用できる。
  2. 天井部の1.0mmないし2.0mmの防虫網の目合いは、対象作物と対象害虫及び気象特性を考慮して、適当なものを選択する。また、遮熱資材被覆の効果は、対象作物や生育期間中の晴天日(高温期間)の多少により異なる。
図表1 221493-1.jpg
図表2 221493-2.jpg
図表3 221493-3.jpg
図表4 221493-4.jpg
カテゴリ 病害虫 害虫 中山間地域 チンゲンサイ 防除 ほうれんそう 野菜栽培

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