イチゴ苗に寄生するミカンキイロアザミウマの殺虫法

タイトル イチゴ苗に寄生するミカンキイロアザミウマの殺虫法
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1998~2001
研究担当者 北村登史雄
柏尾具俊
望月龍也
田中和夫
高市益行
相馬幸博
川上房男
発行年度 2000
要約 イチゴ苗に寄生したミカンキイロアザミウマを臭化メチルくん蒸法により防除することにより、本虫未分布地への持ち込みを防ぐことができる。
キーワード イチゴ苗、ミカンキイロアザミウマ、臭化メチルくん蒸法、未分布地
背景・ねらい ミカンキイロアザミウマは、野菜・花き類の重要害虫であり、イチゴは好適な寄主の一つである。沖縄県へのイチゴ栽培の導入のための地域総合研究の推進にあたって、本種が分布する本土から未分布の沖縄県へイチゴ苗を 大量に移送する必要が生じた。苗とともに本害虫を沖縄県に持ち込むことを防止するために、イチゴ苗に寄生するミカンキイロアザミウマを完全に殺虫する方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. ミカンキイロアザミウマのイチゴの葉の組織内に産下された卵、1および2齢幼虫、蛹、そして雌成虫は、20、30、40g/m3の摂氏20度、2時間の臭化メチルくん蒸により24時間以内に死亡した(表1)。
  2. ミカンキイロアザミウマの各ステージを寄生させたイチゴ苗は、20、30、40g/m3で摂氏20度、2時間の臭化メチルくん蒸により、処理後1日目以降7日後までミカンキイロアザミウマが完全に防除された(表2)。
  3. 60g/m3以下、摂氏20度、2時間の臭化メチルくん蒸ではイチゴ(とよのか)に薬害は生じなかった(表3)。
  4. ミカンキイロアザミウマのイチゴの葉の組織内に産下された卵、1齢幼虫、そして雌成虫は、摂氏45度の温湯に5分以上浸漬することにより全て死亡した(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. イチゴ苗に寄生しているミカンキイロアザミウマをくん蒸殺虫する場合、標準的な青果の臭化メチルくん蒸条件である30g/m3、摂氏20度、2時間を基準に行うが、培土に臭化メチルが吸着するおそれのあるため、実測濃度で20g/m3以上となるようにする。
  2. 臭化メチルの40g/m3以上でくん蒸されたイチゴ(とよのか)は出蕾日及び開花日が若干早まるが、果実生産には影響しない。
  3. 温湯浸漬によるイチゴの苗の障害については、未検討である。
図表1 221575-1.jpg
図表2 221575-2.jpg
図表3 221575-3.jpg
図表4 221575-4.jpg
カテゴリ 病害虫 いちご 害虫 防除

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