沖縄におけるイチゴの年内収穫と2作型組合せによる収量の平準化

タイトル 沖縄におけるイチゴの年内収穫と2作型組合せによる収量の平準化
担当機関 (独)農業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2000~2002
研究担当者 沖村誠
久場峯子*(*沖縄農試園芸支場)
荒木陽一
高市益行(野菜茶研)
山口博隆
小橋川共志*
西村範夫
曽根一純
大和陽一
中島規子
登野盛博一*
柏尾具俊
発行年度 2002
要約 沖縄ではイチゴ「さちのか」の自然分化苗は年明けから収穫が始まる。20日間の短日夜冷処理を行うと12月上中旬から収穫が始まるが、収穫の中休みが生じる。短日夜冷苗と自然分化苗を同面積栽培すると収量の平準化が図れ、鮮度の高いイチゴが供給できる。
キーワード 沖縄、イチゴ、「さちのか」、短日夜冷処理、年内収穫、中休み
背景・ねらい 亜熱帯の沖縄は夏秋期の台風の襲来が多く、また、冬期でも高気温の日があり、これまでイチゴが本格的に栽培されることはなかった。しかし、耐台風性のハウスの出現や果実硬度の高い良食味品種が野菜・茶試(現九州沖縄農研)で育成されるに及んで、沖縄でも安定したイチゴ栽培の可能性がでてきた。そこで、これらのハウスや品種を利用して、年内から販売可能なイチゴの安定生産技術の開発を図る。
成果の内容・特徴 1.
「さちのか」の自然分化苗は11月上旬に花芽分化し、年明けから本格的な収穫が可能となる(表1)。
2.
短日夜冷装置を用いて、「さちのか」の花芽を確実に分化させると、12月上中旬から収穫が可能である(表1)。
3.
収穫期に液肥の追肥を行うと、3t/10aに近い収量が得られる。また、窒素分で20kg/10a程度の基肥を施用すると、0.5t近い年内収量が得られる(表2)。
4.
頂果房の収穫を早めることにより収穫の中休みが生じるが、自然分化苗を組み合わせることにより、収量の平準化が図れる(図1)。
5.
年末年始の果実糖度は12%(Brix)前後と高いが、それ以降は10%前後で推移し、天候によっては8%あたりまで低下することもある(図2)。
6.
沖縄産イチゴは、市販の県外産に比べて糖度が0.5~1.0%ほど低く、酸度は逆に2倍ほど高い。しかし、果実硬度が県外産の1.5倍ほどあり、鮮度の高いイチゴが供給できる(表3)。
成果の活用面・留意点 1.
沖縄本島だけでなく、類似の気候を有する南西諸島地域で活用できる。
2.
育苗は二段階採苗法で行い、育苗期には耐台風性ハウスを用いて、台風により苗の樹勢が低下しないように努める。 3.
短日夜冷処理は15℃、8時間日長で20日程度必要である。
図表1 222017-1.gif
図表2 222017-2.gif
図表3 222017-3.gif
図表4 222017-4.gif
図表5 222017-5.gif
カテゴリ 亜熱帯 育苗 いちご 品種 良食味

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