タイトル | 沖縄でのイチゴ栽培で年内から収穫するための花芽分化処理法 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
大和陽一 中島規子 高市益行(原野菜茶研) 荒木陽一 山口博隆 沖村 誠 曽根一純 登野盛博一* 小橋川共志* 久場峯子* 喜納兼二*(*沖縄県農試園芸支場) |
発行年度 | 2002 |
要約 | 沖縄でイチゴ‘さちのか’の自然花芽分化苗を栽培すると、普通1月中旬から収穫が始まる。10月中旬定植で、定植前に8時間日長・夜間15℃の短日夜冷処理を20日間以上行うと、定植時に安定して花芽が分化しており、年内から収穫できる。 |
背景・ねらい | これまで沖縄地方ではイチゴは栽培されていなかったが、単価の高い品目であり、高収益が期待される。また、県内でのイチゴ生産により鮮度の高い果実が供給できる。沖縄地方でも1~3月の収穫は可能であることが明らかになっているが、年内から収穫を開始するためには、花芽分化した苗を10月中旬に定植する必要がある。 そこで、沖縄地方で安定して年内から収穫を開始するための、イチゴの花芽分化処理法を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 10月中旬にイチゴ‘さちのか’を定植する場合、装置を用いて定植前に20日間以上の短日夜冷処理(8時間日長・夜温15℃)を行うと、定植時に安定して花芽が分化する。20~40日の範囲では処理期間は長い方が花芽分化程度は進行する(図1)。 2. 遮光処理によりわずかに花芽分化は促進される(図1)。 3. 10℃で15日間の低温暗黒処理を行っても効果がないばかりでなく、逆に花芽分化が遅れる(図1)。 4. 採苗する親株による花芽分化処理法の影響の違いはほとんどない(図1)。 5. 短日夜冷処理により花芽分化を誘導した苗を10月中旬に定植すると、頂果房は11月上旬~下旬から開花、12月中旬から収穫が始まり(表1)、年内に十分な収量が得られる(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 沖縄地方では秋冬期の温度低下が緩やかであるため個体および年次ごとの花芽分化に差が生じることがあり、安定的な年内収穫を目標としたイチゴ栽培に活用できる。 2. 8月上旬から9月上旬までに採苗し、50%程度の遮光下で10.5cm前後のポットを用いて育苗する。育苗中は葉数4枚程度で管理し、クラウン径が1cmくらいの充実した苗を短日夜冷処理に用いる。 3. 短日夜冷処理により収穫が早まっても、1~2月の収量が低下するため全体的な収量は増加しない。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 育苗 いちご 栽培技術 |