佐賀県におけるMBI-D系統薬剤耐性イネいもち病菌の発生と防除薬剤

タイトル 佐賀県におけるMBI-D系統薬剤耐性イネいもち病菌の発生と防除薬剤
担当機関 佐賀農業セ
研究期間 2001~2002
研究担当者 山口純一郎
古田明子
宗和弘(JA全農営技セ)
発行年度 2002
要約 2001年から佐賀県西北部を中心にいもち病に対するカルプロパミド粒剤の防除効果が低下し、MBI-D系統薬剤耐性菌の発生が我が国で初めて確認された。本耐性菌に対し他系統の箱粒剤は効果を維持し、プロペナゾール粒剤、ピロキロン12%粒剤の効果は高い。
キーワード イネ、いもち病、MBI-D系統薬剤、耐性菌
背景・ねらい カルプロパミド粒剤は、いもち病に対する高い効果が持続することから、佐賀県内に広く普及していた。ところが、2001年から佐賀県西北部を中心にその効果が低下する現象がおいてみられた。さらに2002年には、佐賀県内の他のいもち病常発地帯や西日本各地で同様な防除効果低下事例が確認されている。その原因を解析するために、薬剤耐性菌の発生の有無を検討するとともに、有効な代替薬剤の選定を行った。
成果の内容・特徴 1.
佐賀県西北部において、2001年からカルプロパミド剤の防除効果が著しく低下した(表1)。
2.
カルプロパミド剤の防除効果低下の原因は、耐性菌の発生である(表2)。
3.
耐性菌の発生地帯において、MBI-D系統薬剤(シタロン脱水酵素阻害型メラニン合成阻害剤:カルプロパミド剤、ジクロシメット剤、フェノキサニル剤)は防除効果を示さない(表3)。
4.
MBI-D系統薬剤耐性菌発生地帯において他系統の箱粒剤であるトリシクラゾール粒剤、ピロキロン剤(MBI-R系統:還元酵素阻害型メラニン合成阻害剤)、プロペナゾール剤(抵抗性誘導型)及びアゾキシストロビン剤(ストロビルリン系)は従来通りの防除効果を示す。中でもプロペナゾール(24、10%)粒剤、ピロキロン(12%)粒剤の防除効果が高い(表1、表3)。
成果の活用面・留意点 1.
MBI-D系統薬剤耐性いもち病菌の発生地帯に適用できる。
2.
代替薬剤の防除効果を安定させるために、健全種子の使用、種子消毒の徹底、育苗期の防除を行う。
図表1 222224-1.gif
図表2 222224-2.gif
図表3 222224-3.gif
カテゴリ 病害虫 育苗 いもち病 種子消毒 耐性菌 抵抗性 防除 薬剤 薬剤耐性

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