土中のMNSVおよびその媒介菌のメロン幼苗を利用した簡易検出法

タイトル 土中のMNSVおよびその媒介菌のメロン幼苗を利用した簡易検出法
担当機関 長崎総農林試
研究期間 2001~2002
研究担当者 松尾和敏
内川敬介
発行年度 2002
要約 メロンえそ斑点病汚染土壌をつめたビニルポットにメロン幼苗を植え付け、25℃で管理すると、3週間後には根部からMNSVおよびその媒介菌であるオルピディウム菌を同時に容易に検出でき、本検出法は防除素材の効果確認等に活用できる。
キーワード メロン、えそ斑点病、MNSV、オルピディウム菌、検出法
背景・ねらい メロンえそ斑点病はメロンえそ斑点ウイルス(Melon necrotic spot virus:MNSV)を病原とするウイルス病で、土中に生息するオルピディウム菌(Olpidium radicale)によって媒介される。本菌は絶対寄生菌であるため、寒天等の人工培地を利用した菌の分離検出や培養はできず、また、MNSVについても土中からの検出法が未確立であるため、これらの土中における詳細な動態は解明されていない。さらに、有効な防除素材の検索も主に圃場レベルで行われており、暖地のハウス栽培においては好適な実施時期が半促成栽培期に限られる。
そこで、土中におけるMNSVやオルピディウム菌の簡易な検出法を検討し、これらの動態解明や有効な防除素材の検索等に資する。
成果の内容・特徴 1.
本病汚染土壌をつめたビニルポットにメロン幼苗を植え付け、人工気象器内で20、25および30℃で管理すると、根部におけるオルピディウム菌は光顕観察により30℃で1週間後、MNSVもELISA検定により25℃で1週間後に検出される。その後、いずれも増殖し、オルピディウム菌の増殖量は、30℃で最も多く、次いで25℃、20℃の順であるが、MNSVは25℃が最も多く、次いで20℃、30℃である(表1、図)。
2.
オルピディウム菌の器官別では、25℃で管理すると1週間後には遊走子のうが認められて次第に増加し、3週間後には休眠胞子も検出され始める(表2)。
3.
25℃で、3週間育成すると、オルピディウム菌とMNSVを同時に容易に検出できる(表1、表2、図)。
4.
蒸気消毒した汚染土壌を本法で検定すると、3週間後でもウイルスを検出できないことから、消毒の有効性を確認できる(図)。
成果の活用面・留意点 1.
本検出法は、土壌消毒の効果確認のほか、抵抗性品種の検定や拮抗微生物の選抜など、本病に対する防除素材の検索などに活用できる。
2.
防除素材の検索を行う場合、生育や検出にバラツキが生じるのを防ぐため、土壌は一定の大きさ(4~5ミリ目)のふるいにかけて用いる。
図表1 222253-1.gif
図表2 222253-2.gif
図表3 222253-3.gif
カテゴリ 病害虫 抵抗性品種 土壌消毒 防除 メロン

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