タイトル |
奄美諸島のタンカンに観察される病徴によるグリーニング病の肉眼診断法 |
担当機関 |
鹿児島果樹試 |
研究期間 |
2003~2005 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2005 |
要約 |
奄美諸島のカンキツグリーニング病発生地域におけるタンカンでは、病徴型I、Vおよび黄化を主体にした複数の病徴が同一樹上に認められる場合に、カンキツグリーニング病に罹病している可能性が高い。
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キーワード |
カンキツ、グリーニング病、タンカン、病徴、肉眼診断
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背景・ねらい |
鹿児島県では、カンキツグリーニング病(以下、CG病)の罹病の判定に、PCR検定を行っている。現地調査で持ち込まれる大量の検体のPCR検定には時間と労力を要するため、早期発見・伐採を行う際の大きな問題となっている。効率的に検定を行うには、検体数を可能な限り少なくすることが重要であり、そのためには検体採取時における精度の高い肉眼診断が重要である。そこで、奄美諸島におけるタンカンの葉で観察される特徴的な病徴を明らかにし、精度の高い肉眼診断技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 奄美諸島においてCG病に感染したタンカンの葉に観察される病徴は、大津ら(1998)の分類による病徴型I、II、III、V、VI及びこの分類にない病徴として黄化が観察される(表1、図1)。
- 採取した検体では、病徴型I、V及び黄化で罹病率が高い(表1)。
- 同一樹上に観察される病徴型が無いまたは少ない場合には、陰性である可能性が高い(表2)。
- 同一樹上に複数の病徴型が観察され、その数が多いほど罹病の可能性が高まる傾向がある(表2)。
- 同一樹上に観察される病徴型が、I、V及び黄化を含む組み合わせの場合に罹病している可能性が高い。
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成果の活用面・留意点 |
- PCR検定で陽性であるものを罹病樹と判定した。
- 現地調査の際は、対象樹をよく観察し、症状の有無やその病徴型を確認する。
- PCR検定用サンプルの採取は、I、V及び黄化を主体にして症状が認められる葉を採取する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
診断技術
たんかん
その他のかんきつ
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