タイトル | ナシ黒星病の6月中旬時点での葉での発病の有無がその後の殺菌剤散布の有無と果実での発病に及ぼす影響 |
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担当機関 | 佐賀果樹試 |
研究期間 | 2001~2006 |
研究担当者 | |
発行年度 | 2006 |
要約 | ナシの主要品種`幸水'において,黒星病の果実への主要感染期間の直前にあたる6月中旬時点で葉での発病が認められない場合、薬剤散布を6月下旬の1回にとどめ、7月上旬の殺菌剤の散布回数は省くことができる。 |
キーワード | ナシ、黒星病、幸水,減農薬 |
背景・ねらい | 九州のナシの主要品種`幸水'において、6月中旬~7月中旬にかけての殺菌剤散布は収穫果実での発生を抑えるうえで非常に重要であるが、薬剤散布回数の多いナシでは散布回数の低減が望まれている。そこで、この時期の薬剤散布を減らすための目安として、6月中旬時点での葉での発病が有効であるかどうかを明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1.6月中旬時点で葉での発病が認められていると、DMI剤の6月下旬1回散布のみでは防除効果が安定しない。しかし、6月中旬時点で葉での発生が認められない場合(2,000葉調査)は、DMI剤を6月下旬の1回散布でとどめても安定して高い防除効果が得られる(表1、3か年の試験結果による)。 2.以上の結果から、6月中旬時点で葉での発病が、その後(7月上旬)の殺菌剤の散布回数の有無を図るための目安となる。 |
成果の活用面・留意点 | 1.特別栽培農産物の生産等、ナシでの減農薬を図る際に活用できる。ただし、長雨等の天候不順のリスクも考慮する必要があることから、葉での発病がまったく認められない場合でも、第1回目のDMI剤を散布してから次回の殺菌剤散布をいつに設定するかの目安を明らかにする必要がある。この点を明らかにするために、薬剤の残効や耐雨性の評価等、さらに詳細な検討が必要である。 2.北部九州地域で早期出荷のために広く普及している2月中旬~5月中旬にビニル被覆する簡易被覆栽培(トンネル栽培)を行うと、黒星病の葉での発生は著しく抑えられることから、トンネル栽培を行うと薬剤散布回数を低減できる可能性が高い。 |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 黒星病 出荷調整 農薬 品種 防除 薬剤 |