タイトル |
小型および中型3作業同時サトウキビ株出し管理機 |
担当機関 |
沖縄県農研 |
研究期間 |
2005~2006 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
2007 |
要約 |
小型および中型のサトウキビ株揃え機はハーベスタ収穫後、高刈り等の株を揃える作業機である。改良機は施肥器と農薬タンクを搭載し、株揃え、土中への施肥および除草剤散布の3作業が同時に可能で、株出し管理が効率的に行える。
|
キーワード |
サトウキビ、株出し管理、株揃え
|
背景・ねらい |
サトウキビ株出し管理の時期は、収穫、植付けおよび施肥や除草剤散布作業が重なり、農家にとっては最も多忙な時期である。従来の小型株揃え機は15kW級トラクタに搭載し、株揃え作業のみ行う機種であるが、施肥、除草剤散布を同時に行う効率的な株出し管理機として改良する。また、33kW級トラクタ装着型中型株揃え機は、株揃えおよび施肥作業が可能な機種であるが除草剤散布機を装着し、3作業同時可能な株出し管理機として改良する。
|
成果の内容・特徴 |
- 改良型小型株出し管理機は株揃え作業幅の縮小(50→40cm)やフレームの軽量化により、株揃え部が18%軽量化されている(表1)。また、薬液タンクをトラクタ前方に搭載し、株揃え部と施肥器を後方に搭載する3作業同時作業機である。改良型中型株出し管理機は株揃え部、施肥器、除草剤散布機が一体型である(図1)。
- 小型および中型株出し管理機はナタ式施肥器とソリ式ゲージを併用しており、土中局所施用が可能で肥料の流亡が抑制できる(図2左、中)。
- 安価なモータとPulse Width Modulationで制御する施肥器は、肥料排出量が毎分0.8~2.0kg(40~100%)の範囲で無段コントロール可能である。規定の作業速度では30~75kg/10aとなり、ほぼ栽培指針の範囲内である。
- 塩ビパイプと安価な水中ポンプ等で構成した農薬散布機は、薬液バルブとリミットスイッチの作用で、液ダレを防止することができる(図2右)。流量調整バルブの操作で散布量は、毎分2~3L程度に調整可能で、規定の速度で作業すると100~150L/10aの散布量になる。防除効果は、既存の動噴と変わらない。
- 改良した小型株出し管理機の10a当り作業時間は1.48時間で、中型株出し管理機の10a当り作業時間は0.72時間である(表2)。
|
成果の活用面・留意点 |
- ハーベスタ収穫後株出し作業を行う農業生産法人および農業機械銀行などに導入する。
- 改良した小型株出し管理機を15kW級トラクタに装着する場合、従来機種と同程度以上の水平方向の安定性を保持するため、必ず前方に50kg以上のウエイトを装着する。
- 搭載されている除草剤散布機はバルブによる流量調整に加え、噴口の種類や数量を変えると更に散布幅や散布量を調整できる。
|
図表1 |
 |
カテゴリ |
肥料
病害虫
さとうきび
除草剤
施肥
農薬
防除
|