タイトル | 京都議定書第一約束期間の開始を前に、農耕地から発生する亜酸化窒素の新しい排出係数を算出 |
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研究期間 | |
研究担当者 |
物質循環研究領域 秋山博子 八木一行 顔暁元(海洋研究開発機構 現中国科学院南京土壌研究所 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 農耕地から発生する亜酸化窒素(N2O)について、実測データを用いて国独自の排出係数を算定しました。この排出係数の改訂案は、日本国温室効果ガスインベントリ報告書に採用されたことから、わが国の温室効果ガス排出量算定に大きく貢献します。 |
背景・ねらい | 京都議定書の第一約束期間(2008年~)の開始を前に、2007年までに日本の温室効果ガスインベントリの推計システム*1を整備することが必要とされていました。今までの日本の農耕地土壌からのN2O排出量算定は、国独自の排出係数*2を用いていました。しかし、(1)バックグラウンド排出量(肥料を施用しない場合にも発生するN2Oの量)が差し引かれていない、(2)各作物種について限られた数(1~6 地点)のデータから求められているなどの問題点が指摘されていました。そこで、この問題点を解決し、排出係数の改訂案を提示することを目的としました。 |
成果の内容・特徴 | 新たに日本の農耕地から発生するN2Oのデータベースを整備・解析しました(表1)。その結果、日本の畑地および水田からのN2Oの排出係数はそれぞれ0.62%および0.31%と算定され、IPCCデフォルト値(IPCCガイドラインにおける基本の排出係数、1%、IPCC、2006)よりも、低いことが明らかになりました。一方、茶については、2.9%と算定され、IPCCデフォルト値よりも高いことが明らかになりました。これらの結果と、間接排出(地下水を経由して河川から海洋へ輸送される過程で発生するN2O)についての解析結果(農業環境研究成果情報第22集)をあわせ、新しい排出係数を提案しました(表1)。 本研究により提案した新しいN2O排出係数の改訂案は、日本国温室効果ガスインベントリ報告書(環境省)の最新版(2006年8月)に採用されました。 |
図表1 | |
カテゴリ | 肥料 水田 茶 データベース 輸送 |