タイトル |
南方さび病に強くTDN多収の晩播・夏播き用トウモロコシ新品種「なつむすめ」 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 |
2001~2007 |
研究担当者 |
澤井 晃
村木正則
伊東栄作
江口研太郎
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発行年度 |
2007 |
要約 |
トウモロコシ新品種「なつむすめ」は、晩播・夏播き用品種で、南方さび病に極めて強く、耐倒伏性に優れ、乾物収量および乾雌穂重割合が高く、TDN含量、TDN収量ともに高い。
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キーワード |
トウモロコシ、晩播、夏播き、南方さび病抵抗性、高TDN、雌穂多収
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背景・ねらい |
暖地では、飼料用トウモロコシは夏作の基幹自給飼料として、春播きだけでなく、イタリアンライグラスの収穫後に晩播で栽培され、また二期作の二作目として夏播きでも広く栽培されている。晩播・夏播き栽培では、南方さび病による雌穂収量の減少や茎葉のTDN含量低下および倒伏によりTDN収量が減収する。そのため、南方さび病に強く雌穂収量と茎葉TDN含量が高く、九州地域での晩播・夏播き栽培に適した品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 「なつむすめ」は晩播デント種集団由来の自殖系統「Mi91」を種子親とし、在来フリント種自殖系統「Na50」を花粉親として育成された単交雑一代雑種である。
- 晩播栽培での絹糸抽出期は、「3470」および「KD850」より1日遅く、「SH9904」より1日早い。夏播き栽培での絹糸抽出期は、「SH9904」と同じである(表1)。
- 晩播栽培における乾物総重、乾雌穂重および乾雌穂重割合は、「3470」「SH9904」および「KD850」より高い。総体の推定TDN含量およびTDN収量は、「3470」「SH9904」および「KD850」より高い(表1、図1)。
- 夏播き栽培における乾物総重は、「SH9904」並である。乾雌穂重と乾雌穂重割合は「SH9904」より高い。総体の推定TDN含量およびTDN収量は、「SH9904」より高い(表1)。
- 南方さび病抵抗性は「3470」「SH9904」および「KD850」より強い(図2)。ごま葉枯病抵抗性は、「3470」並かそれより強く、「SH9904」および「KD850」並かそれよりやや弱い(表2)。
- 耐倒伏性は「3470」「SH9904」および「KD850」並かそれより強い(表2)。
- 4月上旬に種子親と花粉親を同時播種した場合、種子親の絹糸抽出期と花粉親の雄穂開花期はほぼ合致し、雌雄畦比3:1での採種量は30.8kg/a程度である。
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成果の活用面・留意点 |
- 九州地域の晩播栽培およびワラビー萎縮症が発生しない地域における夏播き栽培に適する。栽植密度は650~700本/a程度とする。普及見込み面積は1,000ヘクタールである。
- 4月~5月中旬までの春播き栽培には適さない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
イタリアンライグラス
ごま
飼料用作物
新品種
抵抗性
とうもろこし
播種
品種
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