タイトル |
ホスホエノールピルビン酸利用によるウシバイオプシー胚の修復効果 |
担当機関 |
福岡農総試 |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
性判別のために胚の一部を切断したウシバイオプシー胚を、ホスホエノールピルビン酸を添加した培地で培養すると、胚の形態回復が良好となり、移植後の受胎率が改善する。
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キーワード |
ホスホエノールピルビン酸、ウシ、バイオプシー胚、性判別、受胎率
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背景・ねらい |
性判別のために胚の一部を切断したウシバイオプシー胚などの細胞操作胚の受胎率は、保存方法の改良などにより改善しつつあるが、無処置の胚に比べると低い傾向にある。近年、機能性糖質の一種であり生体内で最も高いエネルギー活性を有するホスホエノールピルビン酸(PEP)が、細胞増殖の促進や保護効果を有することが明らかとなり、皮膚等の再生・移植医療等に応用されている。 そこで、PEPが、バイオプシー後の胚の修復や移植後の受胎率に及ぼす効果を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 性判別のために胚の一部を切断したバイオプシー体内胚を、PEPを2mM添加した培地(100μMβME,20%FBS+199)で培養し、ガラス化保存後移植すると、良好な受胎率が得られる(図1、図2)。
- バイオプシーまたは2分割した体外胚をPEP添加培地で培養し、新鮮胚移植すると、受胎率が改善する(図2)。
- バイオプシーした体外胚を修復するための培地にPEPを添加すると、胚の体積は増加し、修復が良好である(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 性判別胚の受胎率向上に活用できる。
- ガラス化法は、「融解操作が簡易なストロー内ガラス化・希釈法(平成15年度福岡県農業関係試験研究の成果)」による。
胚培養に用いるβメルカプトエタノールは毒物指定であるため、保管、記録、廃棄等の取り扱いに注意する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
機能性
受胎率向上
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