タイトル |
住民による地域活力の向上策 |
担当機関 |
農業研究センター |
研究期間 |
1994~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
1)地域の住民が活力を生む過程は、[現状認識→意識化→願望→行動→効力感・充実感→満足感を得る]なかでなされる。2)住民が活力を生み・高めるための(1)短期的方策は、[動機づけ→意識と問題の整理→条件の整備→諸行動の推進→信頼関係の醸成]で進めることが重要であり、かつ中・長期的方策は、主体性を育てる、推進の中核組織をつくる、「共」のつちかい、などが大切である。
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背景・ねらい |
むらづくりや地域おこしには、地域の人たちの活力の向上が重要である。地域の人達は、なにがどう作用した時に意識が変わり、行動が生まれ、その結果として地域の活力が高まって行くのか。ここでは、事例研究の積み重ねに基づいて、地域の人達が活力を生み・高めてくる過程と、そのための方策を提示した。
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成果の内容・特徴 |
- 地域の活力向上に重要なことは、地域の人達の願望の具体化とそれに基づく行動である。そして、その行動あるいは活動の結果、願望(や共通目標)が達成され、効力感・充実感をもたらす中で、活力の向上をみている。
- 地域が活力を生む過程は、(1)現実に対する認識・疑問→(2)それに対する意識化(これでいいか)→(3)こうありたい・変えたいという願望→(4)それを実現するための行動・活動→(5)活動の結果としての「効力感」(手応え)・「充実感」・「満足感」(心も満たす)が得られる、と一般化できる(表の上段参照)。
- 地域が活力を生み・高める短期的方策は、(1)動機づけ→(2)意識や問題の整理→(3)条件の整備→(4)諸行動の推進→(5)信頼関係の醸成、で進めることが重要である。そのために、地域の状況・実状を踏まえ、表の中段に示した諸方策を講じる必要がある。
- 地域の活力は、上記3の短期的方策で順調な進展をみない場合があるし、与件の変化で困難になることもある。それらに対応するには、中・長期的方策として、(1)自主性・主体性を育てる活動(今日では特に地区公民館活動が重要)、(2)活力ある地縁組織の形成を図る(特に自由性があって、推進・統括する中核組織をつくる)ことが大切である。また、地区・地域における「共に」「一緒に」やろうとする「共」をつちかう取り組み(なかでも、家族の温かみ・思いやりの再構築)は、地域活力向上の基底的要件である。
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成果の活用面・留意点 |
地域において、機能性・経済性・合理性を強く押し進め、相互の協力や人の心・感性を否定的に扱ってきたところで、展開の壁にぶつかっている場合がある。したがって、地域の活力向上には、機能性・経済性・合理性と合わせて、地域や人を思いやる心(地域愛や家族愛など)の見直しとそれも重視した取り組みが必要である。
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図表1 |
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カテゴリ |
機能性
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