微生物の二次代謝誘発機構の解明(Stringent response

タイトル 微生物の二次代謝誘発機構の解明(Stringent response
研究期間 1995~1995
研究担当者 越智幸三
川本伸一
島  純
稲津康弘
発行年度 1995
要約 ppGpp蓄積能の顕著な低下を示すrelC変異株を用いて、ppGppが放線菌の二次代謝における直接の誘発物質であることを示した。これらrel変異は、リボゾーム
背景・ねらい 本研究室では多くの放線菌株において、顕著なppGpp蓄積能の低下をまねくrelC
変異株(リボゾームL11遺伝子に変異を持つと考えられる)が、同時に二次代 謝能の消失を伴うことを見出した。すなわち、ppGppが放線菌二次代謝の直接の
誘発物質であることを明らかにしてきた。本研究では、ppGppの作用機構解明の
一貫として、すでに得られているrelC変異の遺伝子レベルでの実体の究明を行っ
た。
成果の内容・特徴
  1.  Streptomyces griseusのrelC株のL11蛋白遺伝子の塩基配列を決定した結果 、12塩基(4アミノ酸相当)の欠損が起きていることを明らかにした(
    図1 )。
  2.  S.lavendulaeのrelC株についても解析した結果、L11蛋白にアミノ酸の欠失 が生じており、しかもその位置はS.griseusで見出した欠失部位の極めて近くに
    存在した( 図1 )。
  3.  両放線菌株のrelC変異株は、二次代謝能の消失に加え、胞子形成能の消失と
    増殖能の低下を示した。L11蛋白は、リボゾームの構成成分としてすなわちタン
    パク合成に関わる機能と環境変化(栄養欠乏等)のシグナルをppGpp合成酵素へ
    伝え活性化させるセンサーとしての機能の二面性を持つと考えられる。4アミノ
    酸の欠損は、両機能に影響を及ぼすために二次代謝以外にも機能低下が観察され
    たと考えられる。
  4.  PCRを用いた欠失変異を見出す新しい手法を開発した。この手法を用いて、S.coelicolor
    から、理想的なrelC欠損変異株を得ることに成功した。この変異株は、2アミ
    ノ酸を欠失しその位置は、S.griseusの欠失部位に隣接していた( 図1)。この変異株も他の放線菌株のrelC変異株同様顕著なppGpp蓄積能の低下を 示した(
    図2 )。しかもこの変異株は抗生物質生産(二次代謝)能の消失を示すが、増殖能
    および胞子形成能は正常であった。さらに、この変異株に低コピーベクターを用
    いてL11 野生型構造遺伝子を導入すると、ppGpp蓄積および二次代謝能は回復し
    た。
  5.  以上の結果から、L11リボゾーム蛋白のN末端近傍の限られたアミノ酸配列 領域(20~50番目)が、細胞内ppGpp蓄積のための情報伝達をになう機能ドメイ
成果の活用面・留意点 ンであることが明かとなった。果の活用面・留意点 放線菌のrelC変異の実
体を遺伝子レベルで明らかにした。そして、リボゾーム蛋白L11の細胞内ppGpp蓄
積への情報伝達に関与するアミノ酸配列領域を明らかにし、細胞機能改変すなわ
ちリボゾーム工学開発への布石となるための有力な情報をもたらすことができた
。
図表1 224440-1.gif
図表2 224440-2.gif
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる