食肉の弾性に関与するタンパク質コネクチンの熟成変化

タイトル 食肉の弾性に関与するタンパク質コネクチンの熟成変化
研究期間 1996~1996
研究担当者 室谷 進
千國幸一
田邉亮一
発行年度 1996
要約 食肉の熟成中に起こるコネクチンの開裂を免疫組織化学的に解析し,筋原線維内での開裂部位を明らかにした。また,コネクチン分子の1次構造が家畜種,筋肉のタイプによって異なることを明らかにした。
背景・ねらい 骨格筋の細胞骨格タンパク質コネクチンは分子量約300万の巨大タンパク質で,筋肉を構成する最小単位である筋原線維内に存在している。コネクチン分子は1分子で筋原線維のZ線からM線に渡る長さ(約1.2μm)を有しており,筋原線維内の弾性線維であるコネクチンフィラメントを構成している(図1)。コネクチンは食肉の品質としての弾性に関与していることが示唆され,その構造や食肉熟成中の変化が各食肉の品質に影響していると考えられる。そこで本研究では,食肉熟成中におけるコネクチンの変化を解析するとともに,コネクチン分子の1次構造が家畜種,筋肉のタイプによって異なることを明らかにすることを目的とした。
成果の内容・特徴
  1.   食肉の熟成中にコネクチン分子は,分子量約120万のペプチド(1,200 kDaサブフラグメント)とその他の部分のペプチド(β-コネクチン)に開裂した。1,200
    kDaサブフラグメントに対する抗体を作成し,同ペプチドがコネクチン由来であることを免疫学的に確認した。同抗体を用いた間接免疫蛍光法,免疫電子顕微鏡法によって1,200
    kDaサブフラグメントの筋原線維内での局在を観察し,同サブフラグメントが,コネクチン分子のZ線側の端,約0.34
    μmの部分を構成していることを明らかにした(図1)。従って食肉の熟成に伴うコネクチン分子の開裂は,Z線から約0.34
    μmの部位で起こることが明らかになった。この開裂が熟成中の食肉の弾性低下を引き起こしていると考えられる。
  2. 上記の通り,コネクチン分子の開裂が食肉の弾性に影響していることが示唆されたので,家畜種,筋肉のタイプによるコネクチン分子の1次構造の違いについて検討した。ペプチドマッピング法,PCR法を用いたダイレクトシークエンス法により,家畜種によってコネクチンのアミノ酸配列が異なることを明らかにした(図2)。また,電気泳動 法により,コネクチンの分子量が筋肉のタイプによって異なることを明らかにした。これらのコネクチン分子の1次構造の違いが,各食肉の品質の違いに関与している可能性がある。
[成果の活用面・留意]
成果の活用面・留意点 [成果の活用面・留意]
 食肉熟成中のコネクチンの変化を免疫組織化学的に解析することができた。本研究で明らかにしたコネクチンの開裂が,熟成中の食肉の弾性喪失を引き起こしていると考えられる。
図表1 224454-1.gif
図表2 224454-2.gif
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる