タイトル |
酵素を活用したキトサンオリゴ糖の調製法 |
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研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
森 隆
徳安 健
濱松潮香
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発行年度 |
1996 |
要約 |
【要約】キチンオリゴ糖を酵素的に脱アセチル化することによって、キトサンオリゴ糖を調製する方法を開発した。現在行われている、熱濃アルカリによる脱アセチル化工程に代わる、常温、中性条件での温和な反応工程の開発へとつながる。 |
成果の内容・特徴 |
- 不完全菌Colletotrichum lindemuthianum (ATCC 56676)の菌体培養液からキチン脱アセチル化酵素を電気泳動的に単一バンドにまで精製した。
- 精製酵素を用いて酵素の諸特性を解明した結果、本酵素は生成物である酢酸塩による反応阻害を受けにく、工業的活用に適することが明らかになった(図1)。さらに、2量体以上のキチンオリゴ糖に対して脱アセチル化活性が見られた。
- 生理活性をもつといわれるキチン6量体を基質として、酵素反応をHPLCによってモニターした結果、基質由来の保持時間17分付近のピークの減少に伴い、保持時間約13分のピークが増大し、最終的には保持時間約13分のピークのみとなった(図2)。このピークはキトサン6量体標品のピーク位置と一致した。
- 3.において保持時間13分付近に検出された反応生成物を回収し、FABーMSによって質量分析を行った結果(図3)、この生成物はキトサン6量体であると推定された。
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成果の活用面・留意点 |
【成果の活用面・留意点】 現在の、キチンを熱濃アルカリ中で徹底的に脱アセチル化して、100%脱アセチル化キトサンに変換してから低分子化するというキトサンオリゴ糖の調製法に代わる、キチンをまず低分子化してから酵素的に脱アセチル化するという温和な調製法の開発へとつながることが期待される。
- 【その他】
- 研究課題名:微生物を利用した天然高分子資源の環境保全素材への変換
- 予算区分 :経常研究
- 研究期間 :平成8年度(平成6年~8年)
- 研究担当者:徳安 健、濱松潮香、森 隆
- 発表論文等:
- Purification and Characterization of Extracellular Chitin Deacetylase from
Colletotrichum lindemuthianum, Biosci. Biotech. Biochem., 60(10), 1996.
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
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