4. 血液レオロジー計測装置MC−FANによる食品機能性の迅速・定量評価

タイトル 4. 血液レオロジー計測装置MC−FANによる食品機能性の迅速・定量評価
担当機関 食品総合研究所
研究期間 1993~1998
研究担当者 菊池佑二
発行年度 1998
要約  赤血球変形能・白血球粘着能・血小板凝集能を信頼性・再現性・定量性高く測定できるMC-FAN(MicroChannel
背景・ねらい
  食品の機能性を迅速かつ定量的に評価する目的で、組織の活動の基になる微小循環血流量を左右する諸因子に対する信頼性・再現性・定量性の高い計測法の開発を目指した。半導体微細加工技術を用いることでシリコン単結晶基板にミクロンサイズの微細な溝のアレイをサブミクロン精度で加工できる。光学研磨したガラス基板で覆うことにより溝のアレイを微細流路のアレイ(マイクロチャネルアレイ)に変換できれば、流路を流れる血液細胞の挙動を顕微鏡観察しながら、一定圧力差の下で全流路を通過する血液流量を測定しえる。この方法で課題であった信頼性・再現性・定量性を達成しえると考えた。
成果の内容・特徴
  1. サブミクロン精度で加工したミクロンサイズのマイクロチャネルアレイに気泡の障害を防いで血液試料を安定に流す技術、さらに完全に洗浄する技術を開発し、顕微鏡観察下にチャネル通過時間・閉塞率・再開通率から赤血球変形能、白血球粘着能、血小板凝集能を信頼性・再現性・定量性高く測定できる装置MC-FAN(MicroChannel
    array Flow ANalyzer;図1)を完成した。  
  2. 赤血球変形能、白血球粘着能、血小板凝集能さらにそれらの総合的な影響を示す全血流動性に著しい個人差があることを見出した(図2)。  
  3. くろず中に赤血球変形能を改善する物質および白血球粘着能を抑制する物質を見出し、後者がヒスタミンであることを明らかにした。
      
  4. 梅肉エキスおよび黒豆煮汁中に血小板凝集能を抑制する物質が存在することを見出し、梅肉エキス中の血小板凝集能抑制物質がクエン酸および製造工程(加熱)中に生じる新規物質(ムメフラールと命名)(図3)であることを明らかにした。  
  5. 流路を通過中の白血球が産生する活性酸素量をルミノール増感発光として測定できることを示した。
     
  6. LPS暴露白血球が産生する活性酸素量に著しい個人差があることを見出した。
     
  7. 情報の交換のためMC-FANのユーザーを中心とした研究会(ヘモレオロジー研究会)を組織した。
成果の活用面・留意点
  MC-FANは健康の評価、疾患の診断、薬品の効果の評価、食品の健全性・機能性の評価に極めて有用であると思われる。大学、病院、製薬会社、食品会社への普及を目指したい。
図表1 224498-1.gif
図表2 224498-2.gif
図表3 224498-3.gif
カテゴリ 加工 機能性

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる